屋根修理で見積もりを依頼する際には、いくつかのポイントを事前に理解しておく必要があります。住宅の中でも非常に重要な部位である屋根を修理するので、正しい知識を身につけて良心的な屋根修理業者を探しましょう。

この記事では、これから屋根修理を行う方向けに、屋根修理で見積もりを取る前に知っておくべきポイントを徹底解説します。

屋根修理の見積もりはどこに依頼する?業者の種類と特徴について

屋根修理の見積もりはどこに依頼する?業者の種類と特徴について

ひとくちに屋根修理と言っても、対応できる工事業者には複数の種類があります。工事業者の種類によってメリットデメリットが異なるので、どのタイプを利用するべきなのかを判断してみましょう。

ここでは屋根修理に対応している代表的な工事業者の種類と特徴について解説します。

総合リフォーム業者

総合リフォーム業者は、戸建て住宅やマンションの改修工事を一括して請け負う業者のことを指します。屋根リフォームはもちろんのこと、外壁塗装や内装リフォームなど、リフォーム全般に対応している特徴があります。

営業・工事管理・施工会社と分担しているため、設計から施工、アフターサービスまで一貫しています。屋根工事業者以外にも大工や内装工などを幅広い施工店を抱えているため、屋根以外のリフォームも一緒に行いたいケースに最適と言えるでしょう。

工務店

工務店は、戸建て住宅の設計や施工を請け負っている業者のことを指します。工務店は地域に密着しており、木造住宅を専門にしている傾向にありますが、近年では新築以外にリフォームも請け負うケースが増えてきています。

工務店は各職人(屋根業者・板金業者・内装業者など)を抱えているため、体系的には総合リフォーム業者と似ています。しかし、規模感が多くの場合は小さく、総合リフォーム業者ほどコストダウンを図れないことがあります。

外装リフォーム専門業者

外装リフォーム専門業者は、建物の外観に関連する改修工事・修繕工事を専門にしている業者のことを言います。主に、屋根工事・防水工事・塗装工事・サイディング工事・雨漏り修繕などを専門にしていることが多く、外装廻りのリフォームに特化しています。

外装廻りに特化しているため、技術が高く高品質な工事を適正価格で依頼することができます。アフターサービスなども含めて充実しているため、外装の改修や修繕を考えている場合、外装リフォーム専門業者に依頼することも一つの選択肢となるでしょう。

建築板金業者

建築板金業者とは、建物の屋根や外壁における金属加工を専門にしている業者になります。屋根の場合、主にガルバリウム鋼板などの金属屋根を主軸に請け負っており、リフォーム会社の下請けとして施工を行っているケースが大半です。

また、金属サイディングなどの施工も建築板金業者が請け負うのが一般的です。工事を実際に施工する業者なので競争力のある価格設定が大きなメリットです。一方で、基本的に下請けとして工事を行っているため、施工後のアフターやメンテナンスなどが体系化されていない業者が多い傾向にあります。

瓦屋根業者

瓦屋根業者は、瓦屋根を専門に取り扱っている施工店です。新築やリフォーム工事における瓦屋根の施工を請け負っており、瓦の部分的な修理はもちろんのこと、大規模な葺き替え工事まで幅広く対応しています。

なお、同じ屋根工事で金属屋根がありますが、瓦屋根とは全く性質が異なるので、金属屋根は板金業者が対応することになります。反対に、瓦屋根に関しては板金業者で対応することが無く、この瓦業者が施工を行います。

要するに同じ屋根工事というくくりであっても、使用する屋根材の種類によって施工業者が変わってくると言うことです。

屋根修理の見積もり金額の費用相場

屋根修理の見積もり金額の費用相場

屋根修理の見積もりにおける費用相場は、修理の内容によって大きく異なります。そのため、一般的な費用相場を確認するためには、工事の種類を把握した上でチェックしましょう。

そこでここからは、屋根修理の種類別で見積金額の相場を紹介します。

部分補修工事

葺き替えやカバー工法といった大規模な修理ではなく、部分的な修理で対応できる場合はコストを抑えることができます。

部分修理の種類としては、以下のような工事があります。

  • 屋根材の割れ補修:3万〜10万円
  • 瓦の部分差し替え:5万〜15万円
  • 棟板金交換工事:15万〜30万円

上記の金額以外に、必要に応じて足場設置費用(10万円〜20万円)がかかるケースがあります。

雨樋交換・修理

屋根に関連する部位の修理として、雨樋の修理が挙げられます。

雨樋の修理には以下のような種類があります。

  • 雨樋部分交換:3万〜10万円
  • 雨樋交換(全部):30万〜50万円※足場代込み

雨樋交換をする場合、足場は必ず設置する必要があります。また、修理費用は雨樋の長さによって変動します。

屋根塗装

屋根材の種類がスレートや金属屋根、コンクリート瓦で劣化が軽度の場合、屋根塗装によるメンテナンスを実施できます。

屋根塗装は塗料のランクで以下のように分類できます。

  • シリコン塗装:30万〜50万円
  • フッ素塗装:50万〜80万円
  • 遮熱断熱系塗装:40万円〜70万円

※切妻屋根60㎡で工事をした場合(足場代込み)

屋根のカバー工法(重ね葺き)

既存屋根の下地状況が悪くない場合、葺き替えでは無く新しい屋根を造り込むカバー工法(重ね葺き)が採用できます。

カバー工法は一般的に以下の費用相場となります。

  • カバー工法(金属屋根):80万〜150万円

※切妻屋根60㎡で工事をした場合(足場代込み)

※瓦屋根には採用できません

屋根の葺き替え

既存屋根の下地状況が著しくない、または重量のある瓦屋根から軽量屋根に変更したい場合、屋根の葺き替え工事が最適です。

葺き替え工事の一般的な費用相場は以下のとおりです。

  • 葺き替え工事:100万〜200万円

※切妻屋根60㎡で工事をした場合(足場代込み)

屋根修理で見積もりを依頼する際のポイント

屋根修理で見積もりを依頼する際のポイント

屋根修理で見積もりを依頼する際には、いくつかの重要なポイントを抑える必要があります。ここで解説する内容を見るだけで、悪質な業者に騙されてしまうリスクを低減させることができます。

良心的な屋根修理業者を探すため、非常に重要な3つのポイントを紹介します。

許認可を取得している業者を選ぶ

屋根修理の業者で見積もりを依頼する際には、その業者が建設業許可を有しているか確認してください。

建設業許可とは許認可のことで、これを取得するためには以下の要件をクリアしなければなりません。

  • 経営業務の管理責任者がいる
  • 専任技術者を設置している
  • 誠実性がある
  • 500万円以上の財産的基礎を有している
  • 欠格要件に該当しない

建設業というのは500万円以下の工事を請ける場合、上記の許認可を取得する必要がありません。

しかし、自社の技術力・財産的基礎を証明することに加えて、建設業界で営業をするのであれば許認可を取得するのが当然です。

反対に、建設業許可を取得できていない業者というのは、上記の要件をクリアできていない可能性があります。

例えば、専任技術者とはその名の通り専門の知識を持った技術者ですが、この要件をクリアするには実務経験で10年以上または指定の国家資格を有していることが必要です。

要するに、これらの要件がクリアできないというのは、技術者がいないことを意味しています。

そのため、技術力の無い業者を省くためにも、建設業許可の有無は効果的なフィルターになるというわけです。

損害保険に加入しているかチェックする

屋根修理の見積もりを依頼する際には、業者が損害保険に加入しているかを確認することが重要です。

損害保険とは工事中に起きた事故などをカバーする保険なので、例えば足場の倒壊で通行人に怪我をさせてしまうケースや、工具を落下させて物を壊してしまったというようなケースにも補償されます。

この保険に加入していない業者に工事を依頼した場合、予期せぬ事故が起きたら業者は実費で補償をしなければなりません。

当然、保険に加入していない業者に支払い能力があるとは思えませんから、泣き寝入りする可能性が出てきます。

このような不足な事態を避けるためにも、予め損害保険に加入している業者に見積もりを依頼しましょう。

最低3社で相見積もりをする

屋根修理の見積もりを依頼する際の重要なポイントの一つが、最低でも3社以上の業者から相見積もりを取るということです。複数の業者から見積もりを取ることで、各業者の提案や費用を比較検討することが可能で、より適切な業者を選ぶことができます。

反対に、一つの業者だけに依頼すると、その業者の価格設定や提案が妥当なのか評価する基準がなくなります。しかし、複数の業者から見積もりを取ることで、費用の相場を把握したり、提案内容や修理のアプローチ方法に違いがあるかを確認することができます。

また、相見積もりをすることは業者選びだけでなく、交渉の材料にもなります。以上の理由から、屋根修理で見積もりを依頼する際には、最低3社に依頼するようにしましょう。

屋根修理の見積もり金額よりも費用を抑える方法

屋根修理の見積もり金額を抑える方法

屋根修理は大がかりな工事なので、工事費用が膨れてしまいがちです。しかし、ここで紹介する方法を活用することで、工事費用を抑えることができます。

そこでここからは、屋根修理の見積もり金額よりも費用を抑える2つの方法を解説します。

自然災害なら火災保険を活用する

自然災害が原因で屋根修理が必要になった場合、火災保険を活用することで費用を抑えることができます。

例えば、台風の影響で屋根の一部が破損したなら、火災保険に含まれている風災補償を活用することで工事費用が補償される可能性があります。

ただし、火災保険はあくまで自然災害が原因による修理を補償する保険なので、経年劣化による修理は補償対象外なので注意しましょう。

国や自治体の補助金・助成金を利用する

屋根修理の費用を抑えるもう一つの方法は、国や自治体で実施している補助金・助成金を活用するということです。

例えば、国で実施している長期優良化リフォーム推進事業制度を活用すると、工事費用の1/3まで補助を受けられる可能性があります。

詳しくは以下の記事でも解説しているので、ぜひ参考にしてみてください。

まとめ

今回の記事では、屋根修理の見積もりについて詳しく解説しました。

記事の要約は以下のとおりです。

  • 屋根修理に対応している業者には種類がある
  • 見積もり依頼をする前に工事の種類別の費用相場を把握しておくこと
  • 見積もり依頼する際には許認可を取得している業者を選ぶ
  • 工事業者が損害保険に加入しているかもチェックする
  • 見積もりは最低3社以上で取ること
  • 自然災害による被害なら火災保険の活用も視野に入れる
  • 国や自治体の補助金・助成金が活用できることもある

屋根修理で見積もり依頼をする際には、今回紹介した内容を予め知識として入れておくことが重要です。

良い業者さんを見つけるためにも、要点を押さえて見積もりを依頼してみましょう。