陸屋根形状をしている戸建てや集合住宅の場合、各種防水工事が施工されています。

この防水工事にはさまざまな種類があるため、工事を依頼する前に防水工事の基礎知識を身につけましょう。

そこで本記事では、防水工事の基礎知識として目的や種類、費用相場まで詳しく解説します。

建物で重要な防水工事の役割・目的とは?【基礎知識】

建物で重要な防水工事の役割・目的とは?【基礎知識】

防水工事というのは、主に二つの役割・目的があります。

  • 雨水の浸入による躯体の劣化を防ぐ
  • 快適な住環境を確保する

ここからは防水工事の基礎知識として、目的や役割について解説します。

雨水の浸入による躯体の劣化を防ぐ

防水工事の大きな目的は、雨水の浸入を防ぐことで躯体が腐食するのを防止する役割があるという点です。

たとえば鉄筋コンクリート造の建物は雨水が浸入することで、内部の鉄筋が錆びて膨張し「爆裂」という現象が発生します。

また、木造住宅の場合なら木部が雨水で腐食するため、下地だけでなく柱まで腐ってしまうケースもあります。

このように建物にとって水の浸入というのは不具合が発生する原因ですから、防水工事で雨水の浸入を防ぐことは重要というわけです。

美観性の向上と快適な住環境を確保する

防水工事には見た目を綺麗にすることで美観性の向上目的と、快適な住環境を確保する役割があります。

雨漏りを防ぐことで建物が劣化することを抑制するため、快適な住環境の確保につながります。

また近年では遮熱効果のある防水工事を施すことで、建物に対する熱の侵入を抑制するため省エネ効果も期待できます。

防水工事というのは、美観性の向上や快適な住環境を確保する上で重要な工事ということです。

防水工事は4種類!それぞれの特徴を理解しよう!

防水工事の種類は4種類!それぞれの特徴を理解しよう!

防水工事には、大きく以下の4種類に分類することができます。

  1. ウレタン塗膜防水
  2. FRP防水
  3. シート防水
  4. アスファルト防水

ひとくちに防水工事といっても種類によって特徴が分かれるため、各工事内容を確認していきましょう。

①ウレタン塗膜防水

ウレタン塗膜防水とは、液状のウレタン樹脂が硬化することで防水層を形成する防水です。

ウレタン塗膜防水のメリットデメリットは以下のとおりです。

  • 液状なので複雑な形状でも施工できる
  • 伸縮性がありひび割れに強い
  • 繋ぎ目のないシームレスな仕上がり
  • 防水層の厚みにバラツキが生じる
  • 気温が低いと施工できない

ウレタン防水はシームレスな仕上がりの防水なので、防水性能も高く複雑な形状でも施工できるメリットがあります。

一方で、液状が硬化することで防水層を形成させるため、厚みにバラツキが生じやすく気温が低いと施工できないデメリットがあります。

②FRP防水

FRP防水とは、ガラス繊維の補強材に不飽和ポリエステル樹脂で硬化・形成させた防水です。

FRP防水のメリットデメリットは以下のとおりです。

  • 軽量で強度の高い防水層
  • 重歩行も可能
  • 繋ぎ目のないシームレスな仕上がり
  • 伸縮性がなくひび割れを起こしやすい
  • 気温が低いと施工できない

FRP防水は硬化することで強度の高い防水層を形成できるので、軽量かつ重歩行も可能な仕上がりになります。

また、ウレタン塗膜防水と同様にシームレスな仕上がりになる点もメリットと言えるでしょう。

一方で、気温が低いと施工できないほか、固い防水層という特徴から伸縮性がなくひび割れを起こしやすいデメリットがあります。

③シート防水

シート防水とは、塩化ビニールまたは加硫ゴムでできた防水シートで防水層を形成する防水です。

シート防水のメリットデメリットは以下のとおりです。

  • 下地を選ばず施工できる
  • 防水品質が均一で仕上げられる
  • 工期が短くて済む
  • 複雑な形状には向いていない
  • 1カ所の亀裂や穴で水が浸入する可能性がある

シート防水は下地を選ばず施工できるほか、工期も短く防水品質が均一で仕上げることができます。

ただし、複雑な形状には向いておらず、1カ所の亀裂や穴で水が浸入する可能性があるデメリットがあります。

④アスファルト防水

アスファルト防水とは、アスファルトルーフィングシートを溶かしたアスファルトで形成する防水です。

アスファルトのメリットデメリットは以下のとおりです。

  • 実績・信頼性が高いため安心
  • 耐久性が約20年と長い
  • 複雑な形状には向いていない
  • ニオイが発生する

アスファルト防水は耐久性が長く防水工事の中でも多くの実績があるため、非常に信頼性が高く安心な防水工事といえます。

一方で、複雑な形状には向いておらず、工法によってはアスファルトを熔解するためニオイが発生するデメリットがあります。

防水工事の手順は施工方法で変わる!【密着工法と絶縁工法】

防水工事の手順は施工方法で変わる!【密着工法と絶縁工法】

防水工事には、主に以下の2種類の施工方法があります。

  • 密着工法
  • 絶縁工法

工法によっても工事内容や手順が変わるため、事前に中身を確認しましょう。

密着工法とは?

防水工事における密着工法とは、下地と密着して防水層を形成していく工法になります。

密着工法は比較的工期も短く済む工事方法なので、工期の短縮や費用を抑えられるメリットがあります。

ただし、防水層と下地が密着することからも、下地の影響を受けやすくひび割れや膨れなどが発生しやすいデメリットもあります。

絶縁工法とは?

下地に密着させる密着工法とは違い、絶縁工法は下地の影響を受けずに防水層を形成できる工法です。

また、下地と防水層の間に通気層を設けることで、下地の持つ水分や湿気も逃がすことができるため、より強固な防水層を形成できます。

広い面積でも問題なく施工できる工法なので、多くの物件で採用されている信頼性の高い工事工法です。

一方で、工事の工程が多く費用面でアップしてしまうほか、重歩行には向いていないデメリットもあります。

防水工事の費用相場はどれくらい?種類別に比較しよう!

防水工事の費用相場はどれくらい?種類別に比較しよう!

防水工事は種類によって工事の内容が大きく異なるため、費用相場にも開きが生じてきます。

そのため、ここからは代表的な防水工事である「ウレタン塗膜防水」「FRP防水」「シート防水」「アスファルト防水」の費用相場を紹介します。

①ウレタン塗膜防水の費用相場

工事内容

費用(陸屋根50㎡)

高圧洗浄

1万〜3万円

下地処理

3万〜8万円

改質アスファルト防水

35万〜40万円

シルバートップ(保護塗料)

5万〜10万円

脱気筒設置

3万〜4万円

改修用ドレン取付

2万〜4万円

諸経費

4万〜5万円

合計

53万〜74万円

②FRP防水の費用相場

工事内容

費用(陸屋根50㎡)

高圧洗浄

1万〜3万円

下地処理

3万〜8万円

改質アスファルト防水

35万〜40万円

シルバートップ(保護塗料)

5万〜10万円

脱気筒設置

3万〜4万円

改修用ドレン取付

2万〜4万円

諸経費

4万〜5万円

合計

53万〜74万円

③シート防水の費用相場

工事内容

費用(陸屋根50㎡)

高圧洗浄

1万〜3万円

下地処理

3万〜8万円

改質アスファルト防水

35万〜40万円

シルバートップ(保護塗料)

5万〜10万円

脱気筒設置

3万〜4万円

改修用ドレン取付

2万〜4万円

諸経費

4万〜5万円

合計

53万〜74万円

④アスファルト防水の費用相場

工事内容

費用(陸屋根50㎡)

高圧洗浄

1万〜3万円

下地処理

3万〜8万円

改質アスファルト防水

35万〜40万円

シルバートップ(保護塗料)

5万〜10万円

脱気筒設置

3万〜4万円

改修用ドレン取付

2万〜4万円

諸経費

4万〜5万円

合計

53万〜74万円

防水工事を実施する際の注意点

防水工事を実施する際の注意点

防水工事を実施する際には、以下の点に注意しましょう。

  • ドレン周りの改修もする
  • 工事後は保護塗装のメンテナンスを実施する

ここからは防水工事の注意点について詳しく解説します。

ドレン周りの改修もする

防水工事を実施する際には、ドレン周りの改修も行う必要があります。

このドレンとは溜まった雨水を適切に排水するための装置で、劣化による雨漏りが非常に発生しやすい部位でもあります。

既存のドレンを撤去せずに改修が行える「改修用ドレン」を活用すれば、余計な雨漏りのリスクも削減できます。

防水工事を実施する際には、必ずドレン周りの改修も行うようにしましょう。

工事後は保護塗装のメンテナンスを実施する

屋上の防水部分はもっとも紫外線が当たる部位なので、経年劣化のスピードも非常に早いです。

経年劣化による防水層の劣化を防ぐためには、定期的に保護塗装のメンテナンスを実施する必要があります。

防水工事を実施したらメンテナンスフリーという訳ではないので、工事後も適切なメンテナンスを実施して防水層を保護するようにしましょう。

まとめ

今回の記事では、陸屋根・屋上に施工されている「防水工事」について詳しく解説しました。

記事の要約は以下のとおりです。

  • 防水工事は雨水の浸入を防ぎ快適な住環境を確保するのが目的
  • 防水工事はウレタン塗膜防水、FRP防水、シート防水、アスファルト防水の4種類がある
  • 防水工事には「密着工法」と「絶縁工法」がある
  • 防水工事をする際にはドレンの改修も必ず実施する
  • 工事が完了したら定期的に保護塗装のメンテナンスを実施する

防水工事は水の浸入を防ぐために重要な工事なので、雨漏りが発生する前に改修工事を実施しましょう。

なお、防水工事の種類によって施工方法や費用も変わるため、詳細は工事業者と打ち合わせを行いながら決定しましょう。