「雨樋詰まりが起きたので掃除したい」「どうして雨樋って詰まるの?」このような疑問をお持ちの方も多いのではないでしょうか。
そこで本記事では、雨樋詰まりが起きる原因や放置した場合のリスクを解説すると共に、雨樋の詰まりを直す方法について屋根修理の専門家が徹底解説します。
雨樋詰まりが起きる原因とは?
雨樋詰まりが起きる原因には、以下のようなケースが挙げられます。
- 落ち葉・枯れ葉
- 砂・土・泥
- 植物
- 鳥の巣
ここからは、雨樋詰まりが発生する代表的な原因について紹介します。
雨樋詰まりの原因① 落ち葉・枯れ葉
雨樋詰まりが起きる原因の一つ目は、落ち葉や枯れ葉になります。
建物周辺に木が植えられている場合、落ち葉や枯れ葉が屋根の上に落ちてくることによって、最終的に雨樋に集まってきます。
このような現象が経年的に続くことで、雨樋の中に落ち葉や枯れ葉が堆積し、雨樋詰まりが発生します。
雨樋詰まりの原因② 砂・土・泥
雨樋詰まりが起きる原因の二つ目は、砂・土・泥になります。
屋外の環境は風の影響で砂ぼこりも舞うため、屋根の上に堆積した砂が雨で流されることで雨樋に集まってきます。
微量だった砂も長年の影響で堆積することで、雨樋を詰まらせてしまうわけです。
また、水分量が多いと泥になることも多く、余計に雨樋詰まりが起きやすくなります。
雨樋詰まりの原因③ 植物
雨樋詰まりが起きる原因の三つ目は、植物になります。
雨樋に植物?と思われるかもしれませんが、植物の種というのは鳥や虫、風などの影響で雨樋の中に含まれてしまうケースがあります。
この種が砂や泥の中で育つことで根を張り、最終的には雨樋詰まりを発生させます。
雨樋詰まりの原因④ 鳥の巣
雨樋詰まりが起きる原因の四つ目は、鳥の巣になります。
雨樋は野鳥にとって風をしのげる場所になるので、巣作りをしてしまうケースがあります。
鳥が巣を作ると小枝や枯れ葉などを集めてしまうほか、鳥の糞なども堆積する原因となるため、雨樋を詰まらせてしまうことがあります。
要注意!雨樋詰まりを放置した場合に起きる「オーバーフロー」のリスク
雨樋が詰まってしまうと、雨天時に水が溢れてしまう「オーバーフロー」という現象が発生します。
このオーバーフローという現象を放置するとさまざまなリスクが発生するため、ここからは具体的にどのようなリスクがあるのかを解説します。
雨樋が破損・変形する
オーバーフローを放置した場合、雨樋が破損又は変形する原因となります。
オーバーフローというのは、雨水が本来排水されるべき場所でないところから溢れだしてしまうため、雨樋に想定していない負荷がかかります。
これにより雨樋は徐々に変形していってしまうほか、最終的には破損して機能しなくなる可能性があります。
雨漏りが起きやすくなる
オーバーフローの状態を放置すると、雨漏りが起こりやすくなります。
雨天時に大量の水があふれ出ることで、外壁や屋根に雨水が断続的にかかってしまうことになります。
経年的な劣化で外壁にひび割れが発生していたり、屋根の軒先部分が腐食していると、オーバーフローが原因となって雨水が浸入してしまうことがあります。
外壁や屋根の不具合があることで、余計に雨漏りが起こりやすくなるリスクがあるというわけです。
関連:雨樋の雨漏りトラブル解決ガイド!原因と対処法、費用相場まで
外壁・基礎・土間の汚れや劣化が進行する
オーバーフローが原因で、外壁や基礎、土間の汚れや劣化が進行することがあります。
溢れ出した水が外壁にかかることで、雨染みや塗膜の劣化を引き起こします。
また、大量の水が土間に落ち、跳ね返った水が基礎に当たることで、泥はねによる汚れや水の影響で腐食が進行します。
シロアリが発生しやすくなる
長期的なオーバーフローが続くことで、シロアリが発生しやすくなります。
シロアリというのは、暗くて湿気のある環境を好んでおり、主に水回りを中心に発生しやすい特徴があります。
そのため、オーバーフローによって建物内に湿気が滞留することで、シロアリが発生および繁殖しやすくなる原因となります。
雨樋の詰まりを直す方法は?必要な道具や掃除の手順について
雨樋詰まりを直すためには、必要な道具を揃えて正しい手順で掃除をする必要があります。
そのため、ここからは掃除に必要な道具の種類と実際の作業手順について解説します。
掃除に必要な道具
雨樋詰まりを掃除する際に必要な道具は以下のとおりです。
- ラバー軍手
- ゴミ袋
- ホウキ
- ちりとり
- スコップ
- 散水ホース
- 脚立
なお、必要に応じて「パイプクリーナー」や「高圧洗浄機」などもあると汚物を取除きやすくなります。
作業手順
詰まった雨樋を掃除する手順は以下のとおりです。
- 詰まった小枝や植物、ゴミを取り除く
- 砂や土をスコップやホウキで除去する
- ホースを使い水で洗い流す
- 詰まりが解消しない場合はパイプクリーナーや高圧洗浄を使用する
- 樋内の汚れを水で洗い流して完成
樋を掃除すると泥はねが壁や土間にも付着するので、樋掃除が終わった後に汚れた部分も掃除しておきましょう。
雨樋詰まりを掃除する場合に注意すべきポイント
雨樋詰まりを掃除する際には、以下の点に注意してください。
- 正しい脚立の使用方法を確認する
- 大屋根(高所)の雨樋掃除は業者に依頼する
ここからは、各注意点について詳しく解説します。
正しい脚立の使用方法を確認する
雨樋掃除を行う場合、正しい方法で脚立を使用しましょう。
以下の点に注意してください。
- 滑りやすい場所を避ける
- 柔らかい場所に立てない
- 段差がある場所を避ける
- 傾斜していないか確認する
- 開き止め金具を確実にロックする
- 天板に乗らない
- 天板にまたがらない
脚立の使用方法を間違えると、転落落下のリスクが生じます。
予期せぬ事故につながる可能性があるので、怪我をしないためにも正しい使用方法を確認しましょう。
大屋根(高所)の雨樋掃除は業者に依頼する
2階以上の高所に設置されている雨樋に関しては、プロの工事業者に依頼しましょう。
高所での作業というのは、作業に慣れたプロでも死亡事故が起きるほど危険です。
初心者の方が高所で不慣れな作業を行う場合、プロよりも転落落下の危険性が高まります。
重大な事故を発生させないためにも、高所の雨樋掃除はプロの工事業者に依頼するようにしましょう。
雨樋詰まりの掃除を業者に依頼した場合の費用相場
雨樋詰まりの掃除を業者に依頼した場合、一般的な費用相場は1カ所あたり8千円から3万円程度となります。
工事期間は概ね半日から1日程度で完了します。
ただし、これらの掃除費用はハシゴが設置できる場合の費用のため、ハシゴが利用できない場合は別途足場を設置しなければなりません。
通常、足場の設置費用は10万円〜30万円程度の追加費用が必要になるでしょう。
雨樋詰まりを防止する方法
雨樋の詰まりを完全に防ぐことはできませんが、一定の量を予防・防止することはできます。
そこでここからは、雨樋詰まりを防止するための方法について解説します。
定期的なメンテナンスを実施する
雨樋詰まりを予防する上で重要なポイントは、定期的なメンテナンスを実施すると言うことです。
プロの工事業者に定期的に雨樋の状況を確認してもらうことで、大掛かりな掃除が必要になる前に詰まりを解消させることができます。
1年に1回程度問題ないので、定期的なメンテナンスを心掛けましょう。
落ち葉除けネットを取り付ける
雨樋詰まりを起こす要因の一つが落ち葉や枯れ葉ですが、以下の製品を取り付けることで詰まりを予防することができます。
- 落ち葉除けネット
落ち葉よけネットとは、横樋部分にメッシュ状のネットを取り付けて落ち葉が詰まるのを予防するアイテムの一つです。
メッシュがあることで落ち葉が詰まることを防ぎつつ、雨水だけは通す仕組みなので、排水機能はそのままという仕組みになります。
まとめ
今回の記事では、雨樋詰まりのポイントについて詳しく解説しました。
記事の要約は以下のとおりです。
- 落ち葉・枯れ葉、砂・土・泥が詰まりの原因
- 植物や鳥の巣が原因で詰まることも
- 詰まりを放置するとオーバーフローが発生する
- オーバーフローは雨樋が破損・変形する原因になる
- 雨漏りが起こりやすくなるリスクも
- 外壁・基礎・土間の汚れや劣化が進行することにもつながる
- DIYで掃除する際には正しい脚立の使用方法を確認する
- 大屋根(高所)の雨樋掃除は業者に依頼する
- 一般的な費用相場は1カ所あたり8千円から3万円程度
- 定期的なメンテナンスを実施することで雨樋詰まりを予防できる
- 落ち葉除けネットを取り付けることも効果的
今回紹介した内容を参考にしつつ、雨樋詰まりを解消しましょう。