雨樋の雨漏りは、家屋への損害や健康被害を引き起こす可能性があります。そのため、被害が拡大する前に対処して、不具合を早期に解消しなければなりません。

この記事では、雨樋から雨漏りが発生する原因や、それに対する対処法を解説します。この情報を参考に、雨樋の雨漏り問題を解決して快適な住まいを維持しましょう。

雨樋から雨漏りが発生する原因とは?

雨樋から雨漏りが発生する原因とは?

雨樋から雨漏りが発生する原因には、いくつかのパターンがあります。その原因によって対処方法も変わってくるので、まずはどのようなことが原因で雨樋から雨漏りが発生するのかを確認していきましょう。

そこでここからは、雨樋から雨漏りが発生する具体的な原因について解説します。

葉や枝、ごみなどの詰まり

雨樋から雨漏りが発生する原因の一つとして、葉や枝、ごみなどの詰まりが挙げられます。屋根に落ちた葉や枝、鳥の糞や飛来したごみなどが、雨樋の内部や接続部分に詰まることで、雨水の流れが妨げられます。

この詰まりが起こると、雨水が樋を逆流して家屋内部に侵入する恐れがあります。また、詰まりが長期間放置されると、雨樋内の水分が腐敗し、悪臭や害虫の発生源となることも。さらに、詰まった雨水が凍結することで、雨樋が破損したり変形したりする可能性すらもあります。

特に、樹木が多い場所や鳥の生息が多い環境では、詰まりが発生しやすいため注意が必要です。

雨樋の破損(穴、亀裂)

雨樋から雨漏りが発生する原因の一つとして、雨樋の破損(穴、亀裂)があります。

雨樋は、長年の使用や自然界からのさまざまな要因によって、劣化し破損することがあります。穴や亀裂が開いた状態で放置されると、雨水が雨樋から漏れ出して外壁や屋根に浸水し、家屋全体に損傷を与える可能性があります。

雨樋の破損が起こる原因は、強風や豪雨、積雪や氷結などの天候によるダメージや、鳥や動物による傷つけや、落下物など外的要因に起因する物などさまざまです。

接続部分の不具合(接着不良)

雨樋から雨漏りが発生する原因の一つに、接続部分の不具合(接着不良)が挙げられます。

雨樋は複数の部品が接続されて構成されており、これらの接続部分が適切に接着・固定されていない場合、雨水が漏れ出すことがあります。

接続部分の不具合が生じる原因としては、接続部分の接着剤が十分に塗布されていない、または固定方法が不適切な場合、接続部分からの雨漏りが起こり得ます。また、長年の使用や自然環境によって、接続部分の接着剤が劣化し、雨樋の継ぎ目から雨水が漏れることもあります。

接続部分の不具合を解決するためには、雨樋の取り付け時に適切な接着剤を使用し、施工方法にも注意を払うことが重要です。

雨樋の取り付け不良(角度・位置)

雨樋から雨漏りが発生する原因の一つに、雨樋の取り付け不良(角度・位置)があります。

雨樋は屋根からの雨水を効率的に排水するために、適切な角度や位置に設置しなければなりません。しかし、取り付けが不適切な場合、雨水の流れが悪くなり雨樋から漏水が発生することがあります。

この傾斜角度が適切でないと、雨水がうまく流れず溜まってしまう他、適切な位置に取り付けられていない場合、雨水が正しく流れず雨樋から漏れる可能性があるので注意が必要です。

容量不足によるオーバーフロー

雨樋から雨漏りが発生する原因の一つに、容量不足によるオーバーフローがあります。

雨樋は屋根から流れ落ちる雨水を集め、適切に排水する役割を果たしています。しかし、雨樋の容量が不足していると大量の雨水を適切に処理できず、オーバーフロー(あふれ出る現象)が起こり、雨漏りが発生することがあります。

なお、建物の大きさや屋根の勾配に対して、適切なサイズの雨樋が設置されていない場合、雨水の流れがスムーズでなくなりオーバーフローが発生します。また、大雨や集中豪雨など、降雨量が急激に増えると、雨樋が雨水を処理しきれずにオーバーフローが発生することがあります。

経年劣化(性能低下、変形)

雨樋から雨漏りが発生する原因の一つに、経年劣化(性能低下、変形)があります。

雨樋は屋外に設置されているため、長年の風雨や紫外線などの影響で徐々に劣化していきます。その結果、雨樋の性能が低下し変形や亀裂が発生するため、雨漏りが起こることがあるということです。

なお、プラスチック製の雨樋は、紫外線や熱によって変形や劣化が進むことがあります。これにより、変形した雨樋は雨水を適切に流せず雨漏りが発生します。また、金属製の雨樋については、長期間の使用により腐食やさびが発生し、穴が開いて雨漏りが起こることがあります。

雨樋から雨漏りが起きた場合の対処方法と費用相場

雨樋から雨漏りが起きた場合の対処方法と費用相場

雨樋から雨漏りが発生した際には、原因に合わせて適切な対処をしなければなりません。また、対処方法によっても費用相場が大きく異なるので、個別の修理方法を見極めることが重要です。

そこでここからは、雨樋から雨漏りが起きた場合の対処方法と費用相場について解説します。

ゴミや詰まりの除去・清掃

雨樋から雨漏りが起きた場合の対処方法のひとつが、ゴミや詰まりの除去・清掃です。葉や枝、鳥の巣などが雨樋に詰まると、雨水の流れが悪くなり、水があふれて雨漏りを引き起こすことがあるので、定期的に清掃を行いましょう。

費用相場については自分で行う場合は特に費用がかかりませんが、高所作業になるので基本的にDIYはおすすめしません。

なお、専門業者に依頼する場合は業者や作業内容によって異なりますが、一般的な雨樋清掃の費用相場は1階建て平屋の場合18,000~33,000円です。ただし、2階建てで足場が必要な場合は、10〜20万円が追加費用で必要になることもあります。

落ち葉除けネットの取付

雨樋から雨漏りが起きた場合の対処方法として、落ち葉除けネットの取付が効果的です。

特に木々が多いエリアや落ち葉の多い季節には、雨樋に葉や枝が詰まり、雨水の流れが滞って雨漏りを引き起こすことがあります。落ち葉除けネットは、雨樋の上部に設置することで葉や枝などのゴミが雨樋に入らないようにする役割を果たします。

一般的に落ち葉除けネットの取付費用相場は、4,500~5,000円/メートル程度とされています。ただし、必要に応じて足場の設置工事が必要になるケースもあるので、詳細は各業者に確認しましょう。

部分修理(接手修理・傾斜角度調整・部分交換)

雨樋から雨漏りが起きた場合の対処方法として、部分修理が効果的です。

部分修理には、接手修理、傾斜角度調整、部分交換などが含まれます。これらの方法は、雨樋全体を交換するよりも費用対効果が高く、問題箇所を特定して修理することで雨漏りを解消できます。

費用相場については、部分修理の内容や業者によって異なりますが、接手修理の場合は10,000~30,000円、傾斜角度調整が20,000~50,000円、部分修理で20,000~40,000円に収まることが多い傾向にあります。

雨樋交換工事

雨樋から雨漏りが起きた場合、対処方法として雨樋交換工事を検討することがあります。

雨樋の劣化が進んでいたり、部分修理では解決しきれない問題がある場合、雨樋全体の交換が適切な選択となります。新しい雨樋に交換することで、雨水の流れが改善され、雨漏りが防がれる効果が期待できます。

費用相場については、業者や使用する雨樋の種類、取り付ける雨樋の長さや建物の構造によって異なりますが、一般的には10万円~30万円程度とされています。ただし、足場の設置工事が別途必要になるため、追加で10〜20万円が必要になることがあります。

雨樋の雨漏り修理業者を選ぶポイント

雨樋の雨漏り修理業者を選ぶポイント

雨樋の雨漏り修理業者を選ぶ際には、いくつかのポイントに注意して選定することが重要です。まず、業者の経験と実績を確認しましょう。長年の経験があり多くの修理実績がある業者は、信頼性が高く、技術力も期待できます。

次に、見積もりを複数の業者から取得することが大切です。費用やサービス内容を比較検討し、自分の予算やニーズに適した業者を選ぶことができます。また、見積もり時には、作業内容や保証期間、アフターサービスについても確認しておくと安心です。

口コミや評判も参考にすると良いでしょう。インターネット上のレビューや周囲の人からの紹介など、実際にその業者と取引した人の意見を参考にすることで、業者の対応や品質についての情報を得られます。

最後に、地元の業者を検討することも有効です。地元密着型の業者は、地域の気候や建物の特性を熟知しており、迅速な対応が期待できることが多いです。これらのポイントを考慮し、適切な業者を選びましょう。

まとめ

今回の記事では、雨樋の雨漏りが発生した場合の原因や対処法について詳しく解説しました。

記事の要約は以下のとおりです。

  • 葉や枝、ごみなどの詰まりが原因になることがある
  • 破損や接着不良、変形や経年劣化によって雨漏りすることもある
  • 容量不足でオーバーフローするケースもある
  • ゴミや詰まりの除去・清掃や落ち葉除けネットの取付が効果的
  • 必要に応じて部分修理か全体工事かを判断する
  • 雨樋修理に慣れた専門性の高い業者に依頼することが重要

雨樋に起因する雨漏りは、水が漏れることで外壁や屋根に侵入して行くケースが大半です。

そのため、雨樋の不具合を早期に果然して、雨漏りを防ぐことが重要と言えるでしょう。