屋根に天窓が取り付けられている場合、雨漏りが発生することがあるので注意しなければなりません。
天窓に起因する雨漏りは原因が複数あるので、どのようなことが原因になり得るのかを確認していきましょう。
そこで本記事では、天窓(トップライト)から雨漏りしてしまう原因と対処法について詳しく解説します。
天窓(トップライト)とは?メリットデメリットを知ろう!
天窓(てんまど)とは、屋根に取り付けられている窓のことを指します。
別名でトップライト(表記:TL)とも呼ばれており、暗い室内でも明かりを取り入れることができます。
また、通常の窓と同様に室内の空気を換気することもできるので、空気の入れ換えを行うのにも役立つ一面があります。
天窓のメリット
屋根に天窓があることで、以下のようなメリットがあります。
- 採光性が良い
- 通風性が良い
- 開放感が増す
構造や立地条件の兼ね合いで明かりが採りにくい場合も、天窓を取り付けることで部屋を明るくすることができます。
上部にたまる暖かい空気を効率よく排出できるので、室内の風の通り道を確保できるメリットがあります。また、天窓があることで空も見えるので、全体的に室内の開放感が増す一面もあります。
天窓のデメリット
屋根に天窓がある場合、以下のようなデメリットがあります。
- 夏場が暑い
- 雨漏りしやすい
- 結露しやすい
- メンテナンス性が悪い
天窓は採光性が良くなる一方で夏場の直射日光も取り入れてしまうため、室内温度が上昇しやすく暑くなってしまうデメリットがあります。
また、一番のデメリットとして挙げられるのが、雨漏りがしやすくなってしまうということ。
その他にも、結露がしやすい上にメンテナンス性が悪いなど、天窓は比較的デメリットも多い点は否めません。
天窓から雨漏りが起きる原因4選!対処法も解説!
天窓から雨漏りする主な原因は以下のとおりです。
- ゴムパッキンおよびシール材の劣化
- 天窓取付時の施工不良
- 天窓自体の寿命
- 堆積物によるオーバーフロー
それでは個別の原因について詳しく解説します。
①ゴムパッキンおよびシール材の劣化
天窓の雨漏りで最も多い要因の一つが、ゴムパッキンやコーキング材の劣化になります。
天窓に取り付けられているガラス周辺には、防水性を高めるためにゴムパッキンやシーリング材が使用されています。
しかし、5年から10年程度で経年劣化に起因する亀裂や破断を起こしてしまうため、隙間から雨水が侵入してしまいます。
ガラス周辺のゴムパッキン・シーリング材を除去した後、新しくコーキング材を打設する。
②天窓取付時の施工不良
雨漏りが起きてしまう要因の一つが、天窓を取り付けた際の施工不良が挙げられます。
天窓を取り付けるには屋根に開口部を作らなければならず、雨水が浸入しないように防水シートや板金加工を行います。
しかし、防水シートに穴が空いていたり板金部分の立ち上がりが不足していると、雨水が浸入しやすくなってしまい雨漏りにつながります。
施工不良の内容にもよりますが、天窓周辺の屋根材を撤去して防水シートからやり替える場合があります。また、板金部分の立ち上がりなどを補修するケースもあります。
③天窓自体の寿命
天窓からの雨漏りが発生する要因として、天窓自体の寿命というケースがあります。
一般的に天窓の寿命はは20年前後と言われており、結露や雨染みが経年的に続くことで枠部分も腐食していきます。
そのため、天窓自体の劣化や寿命が近づくことで雨漏りが発生する場合があります。
天窓が必要な場合は、新しい天窓に交換する。一方で、天窓が必要ないという場合については、既存の天窓を撤去して塞いでしまうこともあります。
④堆積物によるオーバーフロー
天窓周辺の堆積物が原因でオーバーフローを起こすと、雨漏りにつながるケースがあります。
たとえば、落ち葉や枯れ葉などが天窓周辺あると本来の排水ができなくなるので、水が溜まりやすく板金内部に侵入する場合があります。
また、毛細管現象が起きると防水シートの釘穴やタッカーの穴から雨水が浸入し、結果的に雨漏りにつながってしまうケースがあります。
基本的には堆積物を除去して天窓周辺の清掃を行います。ただし、周辺の腐食が進んでいる場合は天窓の交換や撤去、下地修理まで行うケースもあります。
天窓の雨漏りは結露の可能性も疑おう!
天窓から雨漏りが発生していると思っていたら、実は結露だったというケースも少なくありません。なお、雨漏りではなく結露が原因だった場合、比較的簡単な処置で対応できる傾向にあります。
そこでここからは、天窓で結露が起きてしまう原因と簡単にできる結露対策について解説します。
結露が起きる原因
天窓が結露を起こしてしまう原因として、以下の点が挙げられます。
- 湿気が滞留している
- 室内外の温度差
室内で暖まった空気というのは湿気を含みながら上部に向かう性質があるので、天窓が結露する場合があります。
また、室内温度と外気温の差が大きく開いている場合、急激な温度差を原因として結露が発生します。
簡単にできる結露対策
結露が原因だった場合、以下のような対策をすることで改善する場合があります。
- 換気を行う
- 結露防止シート(スプレー)などを利用する
- 断熱性の高いガラスにする
湿気が滞留している場合、送付ファンなどを利用して空気の循環を促したり換気を行えば改善する可能性があります。
また、市販の結露防止シートやスプレーを利用することで、結露が収まるケースもあります。
なお、既存の天窓に取り付けられているガラスを断熱性の高いガラスに交換する方法がもっとも効果的です。
天窓の雨漏りを修理する方法と費用相場
天窓の雨漏りは、修理方法によって費用相場も大きく異なります。
そこでここからは、各修理方法別の費用相場について詳しく解説します。
コーキング補修
天窓に設置されているガラスには、ゴムパッキンやシーリング材が施されています。
この部位は経年劣化で亀裂などが生じるので、新しいコーキング材で打ち替えのメンテナンスを行いましょう。
堆積物除去・周辺清掃
自宅の周辺に木が多い場合、天窓周辺に落ち葉・枯れ葉が堆積する可能性があります。
放置するとオーバーフローを起こして雨漏りが発生する場合があるので、定期的に周辺清掃などのメンテナンスを実施しましょう。
部分補修(板金・ルーフィング)
雨漏りで下地まで腐食していない場合、部分的な修理で対応するケースがあります。
なお、部分修理には天窓周囲を板金で納める方法や、一部屋根材を撤去して防水シートからやり直す方法があります。
天窓の本体交換・撤去
天窓が寿命を迎えている、または下地まで腐食が進んでいる場合については、天窓本体を交換する修理方法を選択します。
なお、天窓自体が必要ない場合については、屋根で塞いでしまうことで防水性はより向上します。
天窓の雨漏り修理は専門家に依頼しよう!
屋根は雨漏りが発生しやすい部位の一つですが、なかでも天窓周辺のトラブルは非常に多い傾向にあります。
雨漏り修理には知識や技術が必要な上に、高所作業で危険性も多いことからも、DIYなどで修理することは辞めましょう。
以上の点から、天窓周辺のトラブルを解決するためには、雨漏り修理の専門家に依頼して的確な修理を実施することをおすすめします。
まとめ
今回の記事では、天窓からの雨漏りについて詳しく解説しました。
記事の要約は以下のとおりです。
- ゴムパッキンおよびシール材の劣化が原因で雨漏りすることがある
- 天窓取付時の施工不良も原因になることがある
- 天窓自体の寿命が原因のケースもある
- 堆積物によるオーバーフローの可能性も疑う
- 雨漏りではなく結露の可能性もある
- 天窓の雨漏り修理は高所作業で危険性なので専門家に依頼する
天窓(トップライト)は採光性も良いので、開放感のある室内空間を演出できます。
一方で、屋根に開口部を作っている関係上、雨漏りが起こりやすい部位でもあるため、腐食が進む前にメンテナンスを実施しましょう。