雨漏りは放置すると痛みが進行するため、早期に修理しなければなりません。
しかし、実際に雨漏りが起きてしまうと「雨漏り修理はどこに頼むべきなの?」と困ってしまう方も多いのではないでしょうか。
そこで本記事では、初心者の方向けに雨漏りが起きた際にどこに頼むべきなのか?を詳しく解説します。
雨漏り修理はどこに頼むべき?住居タイプで異なる相談先の種類について
雨漏りを発見した場合に相談する先は、住居タイプによって異なります。
- 持ち家
- 賃貸住宅
- 分譲マンション
それでは各住居タイプ別の相談先について詳しく解説します。
持ち家の場合
住居タイプが持ち家で雨漏りが発生した場合、相談する先は2パターンに分かれます。
- 築10年以内の物件
- 保障期間の終了した物件
新築住宅の場合は「住宅品質確保法(品確法)」があるので、事業者側は10年間の瑕疵担保責任が生じています。
この法律では、築10年以内で雨漏りなどの瑕疵(欠陥)が発見された際には、事業者側の負担で修理することを義務づけています。
そのため、築10年以内で雨漏りが発生した際には、売主側に連絡を行い雨漏り修繕を行ってもらいましょう。
一方で、保障期間が終了している物件については、売主側に瑕疵担保責任は発生しません。
そのため、ご自身で雨漏り修理を対応している業者に直接連絡をして、雨漏り修繕の対応をしてもらいましょう。
賃貸住宅の場合
賃貸住宅で雨漏りが発生した場合、大家さん(または管理会社)に相談して対応してもらいましょう。
民法606条「賃貸人による修繕等」では、以下のように定められています。
第六百六条 賃貸人は、賃貸物の使用及び収益に必要な修繕をする義務を負う。ただし、賃借人の責めに帰すべき事由によってその修繕が必要となったときは、この限りでない。
e-Gov法令検索民法(賃貸人による修繕等)
2 賃貸人が賃貸物の保存に必要な行為をしようとするときは、賃借人は、これを拒むことができない。
このように賃貸住宅における雨漏りなどの修繕は、「賃貸人(貸す側)」が対応することを法律上で義務づけています。
一方で、平成29年に行われた法律改正では、本条1項に賃貸人が修繕義務を負わないただし書きが追加されました。
このただし書きでは、修繕原因が賃借人(借り手側)にある場合、賃貸人は修繕義務を負う必要がないとされています。
要するに賃貸物件の場合、責任の所在によって修繕費用の負担義務対象は変わるということです。責任の所在を明らかにするためにも、雨漏り発生後は早期に大家さん等に相談をしましょう。
分譲マンションの場合
分譲マンションで雨漏りが発生した場合、管理組合に連絡を行いましょう。
分譲マンションは占有部分と共有部分で分かれており、雨漏りの発生場所によって責任の所在が分かれます。
共用部分からの雨漏りは修繕積立金から負担しますが、専有部分については個人負担になるケースが一般的です。
これらの責任負担を決めるためにも、まずは管理組合に連絡を行い雨漏りの発生原因などを特定しましょう。
雨漏り修理はどこに頼む?まずは施工業者の種類を理解しよう!
雨漏り修理をする際に一番悩むことは、「雨漏り修理はどこに頼むべきなのか?」ということです。
そこでここからは、雨漏り修理に対応している業者の種類と特徴について詳しく解説します。
工務店・ハウスメーカー・建設会社
家を建てた工務店やハウスメーカー、建築会社なども雨漏り修理に対応している業者です。
主なメリットは、家の設計・施工を行っていることから建物の状況を把握してくれているという点です。
一方で、大手のハウスメーカーや建築会社などはメンテナンス費用が非常に高く、一般的な費用相場よりも割高になってしまう傾向にあります。
総合リフォーム店
内外装のリフォーム工事を請け負う総合リフォーム店の多くは、雨漏り修理にも対応しています。
新築物件を多く手掛ける工務店やハウスメーカーに対し、総合リフォーム店は改修・修繕がメインなので対応力が高い傾向にあります。
しかし、新築業者と比較して、総合リフォーム会社のなかには技術レベルの低い業者も混ざっていることが多いデメリットがあります。
そのため、総合リフォーム店を選ぶ際には業者選定が非常に重要と言えるでしょう。
外装リフォーム専門店
建物の外壁や屋根、防水などを専門にした外装リフォーム専門店は、雨漏り修理に対応しています。
外装リフォーム専門店は外装周りの改修をメインにしているので、雨漏り修理を多く手掛けているメリットがあります。
しかし、総合リフォーム店と同様に技術レベルが低い業者も混ざっているケースがあるため、業者選定が非常に重要です。
屋根工事店(瓦・建築板金)
屋根工事を専門にした瓦屋根業者や建築板金業者についても、雨漏り修理に対応しています。
屋根を専門にしているので、屋根から雨漏りが発生している場合には的確な処置を行うことができます。
一方で、外壁など屋根以外の場所から雨漏りが発生している場合、修理ノウハウが少なく適切な処置が行えないケースがあります。
防水工事店
防水工事店は建物の防水工事を専門にしている業者なので、雨漏り修理に対応しています。
屋根工事専門店とは違い、屋上防水・バルコニー防水・シーリング部位などの雨仕舞い箇所からの雨漏りも的確に処置することができます。
一方で、総合リフォーム店と同様に技術レベルが低い業者もいるので、業者選定がもっとも重要と言えるでしょう。
塗装工事店
塗装工時点は外壁や屋根の塗装を手掛けている業者なので、雨漏り修理にも対応しています。
外壁や屋根、屋上にベランダ、シーリング部位などの修繕を専門にしているため、的確な処置を行うことができます。
一方で、防水工事店と同様に技術レベルが低い業者も多いので、業者選定が非常に重要といえます。
雨漏り修理でどこに頼むか迷ったら比較したい8つのポイント!
良心的で技術レベルの高い雨漏り修理業者を探す際には、以下で挙げる8つのポイントに注意しましょう。
- 資格の有無
- 建設業許可の有無
- ホームページの有無
- 施工エリアの範囲
- 各種保障の有無
- 相談・出張費用の有無
- 原因特定の調査方法
- 見積金額の妥当性
それでは各項目のポイントを解説します。
①資格の有無
業者選定をする際にチェックしておきたいポイントは、有資格者の有無です。
たとえば、以下のような国家資格を有する業者を選定しましょう。
- 建築士
- 施工管理技士
- 技能士
雨漏り修理には高度な知識と技術を有するので、業者の質を見極めるには「国家資格」を取得しているかどうかが重要なポイントになります。
そのため、上記で紹介した国家資格を有する業者を選定するようにしましょう。
②建設業許可の有無
業者選定の中で重要なポイントの二つ目はは、建設業許可の有無になります。
建設業許可とは建設業に携わる事業者を対象にした許認可制度で、取得するためには以下の要件をクリアしなければなりません。
- 経営業務の管理責任者
- 専任技術者
- 誠実性
- 財産的基礎又は金銭的信用
- 欠格要件
一定年数の経営業務を経験した管理責任者を配置し、専任の技術者(前項で紹介した国家資格など)を配置する必要があります。
また、請負契約などの際に不正を行わない誠実性や、財産的基礎として一定の財産を有していなければなりません。
加えて欠格要件として法令違反者や営業禁止処分を受けている事業者は取得できないので、事業者側から見たときに建設業許可のハードルは比較的高いと言えます。
その理由に建設業許可の取得は事業者にとってもメリットが多いのにもかかわらず、未だ取得できていない業者は非常に多いです。
要するに良質な修理業者を選定する際には、建設業許可の有無を見るだけで相当数の悪質業者を排除できるというわけです。
③ホームページの有無
雨漏り修理の業者を選定する際には、ホームページの有無は必ず確認しましょう。
業者を探す方法として、チラシやインターネット、新聞などいろいろな媒体がありますが、基本的に自社で営業を行っている事業者はホームページを有しています。
一方で、悪徳な訪問販売業者などは悪評が広がるリスクがあるので、ホームページを持っていないケースがあります。
そのため、業者選定をする際には、ホームページの有無を確認するようにしましょう。
④施工エリアの範囲
業者選定で重要なポイントの四つ目は、業者が対応している施工エリアの範囲です。
雨漏りの場合、発見から修理までの期間が長くなるにつれて躯体や下地へのダメージは進行します。
業者さんのレスポンスは非常に重要といえるので、自宅からなるべく近い業者さんを選定することがポイントです。
⑤各種保障の有無
雨漏り修理で重要な点は「再発を防ぐ」ということなので、業者選定する際には保障があるかどうかもチェックしましょう。
なお、修理の保障には以下の種類で分類できます。
- 施工会社が発行する工事品質保証
- 第三者機関のリフーム瑕疵保険(別途有償)
施工会社が発行する工事品質保証は、施工した部位で不具合が発生した場合の補償になります。
一方で、リフォーム瑕疵保険は別途有償ではありますが、第三者機関によって瑕疵が発生した際に保障できる仕組みなので、施工会社が仮に倒産しても保障してくれます。
このリフォーム瑕疵保険は登録事業者でなければ利用することができないので、業者を選ぶ際には登録事業者の有無も確認してみましょう。
⑥相談・出張費用の有無
雨漏り修理の業者を選定するポイントの六つ目は、相談や出張費用の有無です。
基本的に相談や出張費用は無料で対応する事業者が多いですが、一部の有償で対応を行っている事業者も存在します。
有償無償で事業者の優劣が決まるわけではありませんが、良心的な業者を選定していくことも重要ということです。
⑦原因特定の調査方法
雨漏り修理の業者を選ぶなかで最重要とも言えるポイントが、雨漏りの原因特定と調査方法です。
というのも、雨漏りの原因が特定できていないにもかかわらず、憶測で修理内容を提案してしまう業者が多いからです。
たとえば、雨漏り修理を屋根工事店に依頼した場合、屋根の葺き替え工事やカバー工法を提案されたとします。
この際に、雨漏りの発生原因を特定した後の提案なら全く問題ありませんが、特定できていない段階で屋根工事を提案されたら注意が必要です。
その理由に、雨漏りというのは屋根以外にも外壁の亀裂や通気口、エアコンの外壁開口部など思いもよらぬ場所から発生しているケースは多々あるからです。
発生場所が上記のような場所だった場合、屋根の葺き替え工事を行っても雨漏りが止まることはありません。
要するに、原因特定ができていないのに修理をした場合、多額な費用をかけて修理しても再発する恐れがあるということです。
以上の点からも、雨漏り修理を依頼する際には、原因特定と調査方法の提案に重点を置いて業者選定をしましょう。
⑧見積金額の妥当性
雨漏りの原因を特定したら修理方法が明確になるので、次にチェックしなければならないのは見積金額の妥当性です。
見積金額の妥当性を見極めるためには、相見積もりを取って比較してみるのをおすすめします。
複数の業者で相見積もりをすることで、法外な値段の業者を確認できるほか、施工費用を抑えることもできます。
ムダな修理費用をかけないためにも、相見積もりを実施して見積金額の妥当性をチェックするようにしましょう。
雨漏り修理でどこに頼むか迷ったらヤネットへご相談ください
雨漏り修理でどこの業者に頼むべきか迷ってしまう方は、ヤネットへお気軽にご相談ください。
ヤネットを運営している株式会社ライフ総建では、雨漏り修理を数多く手掛けており、他社で特定が難しい雨漏りも解決することができます。
雨漏り修理は非常に難易度が高く、経験値を必要とする修繕なので、業者選定でお困りの方はぜひヤネットをご利用ください。
まとめ
今回の記事では、初心者の方の多くが疑問に感じる「雨漏り修理はどこに頼むべきなのか?」について詳しく解説しました。
なお、本記事の要約は以下のとおりです。
- 雨漏り修理の連絡先は住居タイプによって異なる
- 持ち家で築10年以内なら売主側に連絡する
- 品確法で保障されない年数が経過した持ち家は自分で修理業者を探す
- 賃貸物件は責任の所在によって修理費用の負担先が決まる
- 分譲マンションは管理組合に連絡をする
- 雨漏り修理の業者には種類がある
- 修理業者を選定する際には8つのポイントに注意しながら選ぶ
雨漏りは放置すると痛みが進行するため、発見次第早期に修繕する必要があります。
より品質の高い業者に工事を依頼するためにも、今回紹介した内容を元に業者選定を行うようにしましょう。