瓦屋根は、日本の伝統的な建築様式であり、美しい外観と優れた耐久性を兼ね備えています。しかし、長年の使用や自然災害によって、雨漏りが発生することがあります。
雨漏りは家の内部に大きなダメージを与え、放置すると修理費用がかさむ可能性もあるので注意しましょう。
そこで本記事では、瓦屋根からの雨漏りの原因、具体的な対処法、さらに雨漏りを防ぐための予防策について徹底解説します。
瓦屋根から雨漏りが発生する主な原因
瓦屋根の雨漏りにはいくつかの共通する原因があります。それぞれの原因を詳しく見ていきましょう。
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瓦のズレや割れ
瓦屋根の雨漏りの中で最も多い原因は、瓦のズレや割れです。瓦は一枚一枚が独立して敷き詰められており、全体で屋根を覆っています。
しかし、強風や台風、地震といった自然災害の影響で瓦がズレたり、割れたりすることがあります。このような損傷が起こると、隙間から雨水が侵入し、屋根内部の防水シートや構造材にダメージを与えます。
たとえば、台風で瓦の端が持ち上がりズレてしまうと、雨水がその隙間を通り抜けて防水層に直接到達します。また、地震の揺れによって瓦同士の接続が崩れることも雨漏りの原因となります。
さらに、瓦に落ちた枝や飛来物が衝突し割れるケースもあります。これらの状況が放置されると、雨水が内部に浸透し、家の木材部分を腐食させたり、シロアリの発生を招いたりする可能性が高まるため、早めの修理が非常に重要です。
防水シート(ルーフィング)の劣化
瓦屋根の下には防水シート(ルーフィング)が設置されています。このシートは、瓦の隙間から入り込む雨水を屋根内部に侵入させない役割を果たしており、屋根全体の防水性能を支えています。
しかし、この防水シートも紫外線や湿気、温度変化などの影響を受けて経年劣化していきます。防水シートが劣化すると、瓦が無傷であっても雨水が内部に侵入して雨漏りを引き起こします。
防水シートの寿命は一般的に10~20年程度と言われています。特に新築から20年以上が経過している場合は、防水シートの劣化が原因で雨漏りが起きている可能性が高いです。例えば、シートにひび割れや破れが生じている場合、雨水はその隙間を通り抜け、天井裏や壁の内部に染み込みます。
このような症状が確認されたら、すぐに専門業者に点検を依頼することが大切です。
棟(むね)部分の不具合
瓦屋根の頂上にあたる棟部分は、屋根の中でも特に重要な箇所でありながら、雨漏りの原因になりやすい部分でもあります。
この部分は棟瓦という瓦で覆われており、その固定には漆喰が使われています。しかし、この漆喰が経年劣化や自然環境の影響を受けて剥がれたり、ひび割れたりすることで隙間が生じ、そこから雨水が侵入することがあります。
例えば、築年数が経った住宅では漆喰がひび割れ、雨水が内部に浸透しているケースがよく見られます。また、強風や地震によって棟瓦自体がズレてしまうと、防水シートがむき出しになり雨漏りが発生します。
この状態を放置すると、棟の内部に水が広がり木材部分の腐食や棟全体の崩壊といった深刻な問題に発展することがあるので注意しましょう。
雨どいの詰まりや破損
雨どいは、屋根に降り注ぐ雨水を効率よく地面に排出する役割を果たしていますが、この雨どいが詰まったり破損したりすると、雨水が屋根や壁に逆流して雨漏りを引き起こす原因となります。
特に秋には落ち葉が詰まりやすく、掃除を怠ると水の流れが滞り、長期間放置された雨どいには砂やゴミが蓄積してしまうこともよくあります。
さらに雪の多い地域では、冬場に雪の重みで雨どいが歪んだり壊れたりすることもあります。このような状態になると、雨水が溢れて屋根の端から直接壁に流れ込み、雨漏りだけでなく外壁の劣化も進むことがあります。
屋根工事やリフォーム時の施工不良
過去に行われた屋根工事やリフォームが原因で雨漏りが発生するケースもあります。施工不良は見た目ではわかりにくい場合が多く、雨漏りが発生して初めて問題に気づくことがほとんどです。
例えば、防水シートの重ね合わせが浅かったり、瓦の固定が不十分だった場合、雨水が侵入する隙間が生まれてしまいます。また、棟部分の漆喰に塗り残しや不均一な仕上げがある場合も、雨漏りのリスクが高まります。
施工不良というのは、経験の浅い業者やコスト削減を優先した作業によって発生することが多いです。こうした問題を防ぐためには、実績のある信頼できる業者に依頼することが重要です。
また、工事後の定期点検を行い不具合がないか確認することで、施工不良による雨漏りを未然に防ぐことができます。
雨漏りが発生した場合の確認ポイント
雨漏りに気づいたら、まずは状況を把握することが重要です。以下のポイントを確認しましょう。
室内のチェック
雨漏りが疑われる場合、まずは室内の状態を確認することが重要です。天井や壁に現れる茶色や黄色のシミは、雨水が浸透したサインです。
なお、進行が進むとシミが広がりカビや湿気による異臭が発生することもあります。また、天井裏の断熱材が湿っている場合、内部で雨水が広がっている可能性が高いです。
小さなシミでも、放置せず早急に対処することで被害を最小限に抑えることができます。
屋根の外観チェック
室内で異常を見つけたら、次に屋根の外観を確認します。地上から見て瓦がズレている、割れている箇所があれば、それが雨漏りの原因になっている可能性があります。
また、棟や谷部分は特に水が集まりやすいため、状態を注意深く観察しましょう。瓦に加え、漆喰のひび割れや剥がれも確認ポイントです。
これらの異常が見つかった場合は、自力で修理を試みるのではなく専門業者に相談してみましょう。
プロに依頼すべきタイミング
雨漏りを発見した際、軽微な問題でも放置せずプロに依頼するタイミングを見極めることが重要です。瓦の割れや防水シートの劣化は表面から確認しにくいため、専門的な判断が必要です。
また、屋根に登る作業は危険を伴うため、自己点検で原因が特定できない場合や雨漏りが進行している場合は、速やかに専門業者に点検と修理を依頼することが大切です。
瓦屋根の雨漏りへの対処法
雨漏りが発生した場合、応急処置と本格的な修理のどちらが必要かを判断することが重要です。
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応急処置
雨漏りが発生した際、すぐに修理ができない場合は応急処置を行うことで被害を拡大させないことが重要です。例えば、雨水の侵入箇所が特定できたら、ブルーシートを使用して屋根全体を覆い雨水を遮断します。
また、防水テープを使って一時的に割れた瓦や隙間を塞ぐ方法も効果的です。ただし、これらは一時的な対策であり、問題を根本的に解決するには早急に専門業者による修理が必要です。
修理方法
雨漏りの修理には原因に応じた適切な方法を選ぶことが重要です。瓦が割れている場合は新しい瓦に交換し、ズレが生じている場合は正しい位置に戻します。また、防水シートが劣化している場合はシートの貼り直しを行う必要があります。
また、棟部分の漆喰が剥がれている場合は補修を行い、防水性能を復旧させます。このように修理作業は専門知識と技術が求められるため、信頼できる業者に依頼しましょう。
専門業者への依頼
雨漏りの原因が不明な場合や広範囲に及ぶ場合、専門業者へ依頼する必要があります。業者は屋根全体を点検し、瓦の状態や防水シートの劣化具合を確認した上で適切な修理を行ってくれます。
なお、依頼の際は実績や口コミを確認し、信頼できる業者を選びましょう。早期対応することで、修理費用を抑えられる場合も多いです。
瓦屋根で雨漏りを防ぐためのポイント
雨漏りを防ぐためには、日常的なメンテナンスが欠かせません。屋根や雨どいの状態を定期的にチェックし、小さな異常を見逃さないことで、雨漏りのリスクを大幅に減らすことができます。また、周辺環境の管理や適切な点検頻度を保つことが、住まいを長く快適に保つ秘訣ともいえます。
そこでここからは、簡単にできるメンテナンス方法や、プロによる点検の重要性について解説します。
定期的な点検の重要性
瓦屋根の雨漏りを防ぐためには、定期的な点検が欠かせません。屋根は普段目が届きにくい場所ですが、放置すると小さな劣化が深刻な雨漏りに発展する可能性があります。
特に瓦のズレや割れ、防水シートの劣化、漆喰のひび割れは雨漏りの初期兆候として現れます。屋根は高所のため、自己点検することは難しいため、専門業者による定期点検を行いましょう。1年に1回程度行うだけで、見逃しがちな問題を早期に発見し修理費用を抑えることができます。
雨どいの掃除
雨どいは屋根に降った雨水を効率よく排水する重要な役割を担っています。しかし、詰まりや破損があると水がスムーズに流れず、屋根や壁に逆流して雨漏りの原因になります。
特に秋には落ち葉が溜まりやすいため、定期的な掃除が欠かせません。詰まりを防ぐためには、シーズンごとにゴミや汚れを取り除き、正常に雨樋が機能しているか確認してみましょう。
また、破損が見つかった場合は早急に修理を行うことで、大きな被害を防ぐことができます。
関連:雨樋の雨漏りトラブル解決ガイド!原因と対処法、費用相場まで
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まとめ
今回の記事では、瓦屋根から雨漏りした場合の原因や対処法について詳しく解説しました。
記事の要約は以下のとおりです。
- さまざまな原因で雨漏りは発生する
- 雨漏りが起きたら室内と外観をチェックする
- すぐに修理ができない場合は応急処置を行う
- 原因に応じた適切な方法で修理する
- 雨漏り修理は専門家に依頼する
- 定期点検や雨樋掃除などメンテナンスを実施することが重要
瓦屋根の雨漏りは、原因を正確に特定し、適切に対応することで被害を最小限に抑えることができます。特に、防水シートや瓦の状態を定期的にチェックし、異常があれば早めに対応することが重要です。
日頃のメンテナンスを欠かさず、必要に応じてプロに相談することで、大切な住まいを守りましょう。