太陽光発電は、電気代削減や環境負荷軽減といったメリットから、住宅や事業所に広く普及しています。
しかし、太陽光パネルは屋根に長期間固定されるため、設置方法や屋根の状態によっては思わぬトラブルが発生することがあります。
特に屋根に関するトラブルは、建物の寿命や発電効率に直結し、修理には高額な費用がかかることも少なくありません。
本記事では、太陽光発電設置で起こりやすい屋根トラブルの事例、発生原因、そして設置前にできる予防策を詳しく解説します。
太陽光発電設置で起こりやすい屋根トラブルとは?
太陽光パネルは20年以上設置されることを前提としており、その間に屋根の状態が変化しても簡単には取り外せません。
設置後に発生しやすいトラブルとして、以下の2つが代表的です。
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雨漏り
太陽光発電による屋根トラブルの中で最も多いのが雨漏りです。
設置時に固定金具を取り付ける際、屋根材や防水シートに穴を開けます。
この部分の防水処理が不十分だと、雨水が浸入し、下地材や野地板、防水シートが劣化します。
特に台風や大雨などの悪天候時に症状が顕著になり、天井のシミやカビ、クロスの剥がれといった被害が出ます。
雨漏りは一度発生すると修繕が難しく、パネルの取り外しや再設置が必要になる場合があります。
費用面だけでなく生活への影響も大きいため、予防が何より重要です。
関連:ソーラーパネル設置で屋根は雨漏りする?原因と対策方法を徹底解説
屋根材破損
スレート屋根や瓦屋根など、屋根材の種類によっては施工時の歩行や工具の使用で破損が起こることがあります。
スレート屋根は薄くて割れやすく、瓦屋根は一枚割れると他の瓦にも影響する場合があります。
金属屋根でも、ビスの締めすぎや切断部分からのサビ発生が見られることがあります。
破損した屋根材は防水性能が低下し、やがて雨漏りや構造の腐食につながるため、設置時の取り扱いに細心の注意を払う必要があります。
太陽光発電設置で屋根トラブルが発生する主な原因
屋根トラブルは偶然起きるものではなく、多くは施工や計画の段階に原因があります。
ここでは主な3つの原因を解説します。
施工不良
施工不良は屋根トラブルの最大の原因です。
固定金具の防水処理が不十分だったり、ビスの締め具合が適切でなかったりすると、早期の雨漏りや破損につながります。
また、施工スタッフが屋根の構造や材質を理解していない場合、屋根材を無駄に傷つけることもあります。
さらに、配線ルートの確保や貫通部のシーリング不足も、長期的に雨水浸入のリスクを高めます。
屋根材の耐用年数不足
屋根材は種類ごとに耐用年数があり、スレートで約20〜25年、金属屋根で30〜40年が一般的です。
築年数が古く、屋根材や下地が耐用年数を超えている場合、そのままパネルを設置すると数年以内に塗装や葺き替えが必要になり、パネルの撤去・再設置費用が余計に発生します。
特に築10年以上経過している住宅では、設置前の屋根点検とメンテナンスが必須です。
構造的な負担
太陽光パネルは1枚あたり約15〜20kgの重量があります。
システム全体では数百kgに及ぶこともあり、屋根や下地に長期的な負担をかけます。
設計段階で耐荷重を考慮していないと、屋根の歪みやズレ、構造材の破損を引き起こします。
また、強風や積雪の多い地域では、固定金具の強度不足や設置角度の誤りが重大な損傷につながることがあります。
太陽光発電設置前にできるトラブル予防策
トラブルを未然に防ぐためには、設置前の準備が何よりも重要です。
ここでは4つの予防策を紹介します。
屋根点検とメンテナンスの事前実施
設置前に屋根の状態を正確に把握することは必須です。
塗装の劣化やひび割れ、下地の腐食が見られる場合は、太陽光発電の設置前に塗り替えや葺き替えを行いましょう。
これにより、設置後に屋根修理のためにパネルを撤去する二度手間を防げます。
耐用年数に応じた施工計画
太陽光パネルの寿命(約25年)と屋根材の耐用年数を合わせる計画が重要です。
例えば、スレート屋根で設置前に塗装や葺き替えを行えば、パネル寿命とほぼ同じ期間メンテナンスが不要になります。
逆に耐用年数が短いまま設置すると、途中で大規模修繕が必要になります。
関連:太陽光発電に適した屋根は?設置前に確認すべきポイントを徹底解説!
信頼できる施工業者の選定
施工業者は屋根工事と電気工事の両方に精通していることが望ましいです。
施工実績や資格保有状況、過去のクレーム対応を確認しましょう。
また、見積もり時に施工方法や使用部材、防水処理の詳細を説明してくれる業者を選ぶことが大切です。
保証内容の確認
メーカー保証と施工保証の内容を必ず確認しましょう。
保証期間、対象範囲(雨漏りや破損が含まれるか)、免責事項などを事前に理解しておくことで、トラブル発生時の対応がスムーズになります。
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まとめ
今回の記事では、太陽光発電と屋根のトラブル事例と対策について詳しく解説しました。
記事の要約は以下のとおりです。
- 雨漏り・屋根材破損などが代表的なトラブル
- 主な原因は施工不良、屋根材や下地の耐用年数不足
- 設置前の屋根点検やメンテナンス、耐用年数を考慮した施工計画が大切
- 信頼できる業者選びも予防策
太陽光発電は長期的に大きなメリットをもたらす設備ですが、屋根の状態や施工品質を軽視すると、雨漏りや破損といった深刻なトラブルを招く可能性があります。
設置前の屋根点検、耐用年数に合わせた施工計画、信頼できる業者選び、保証内容の確認を徹底すれば、多くのトラブルは未然に防げます。
将来の余計な出費や生活への影響を避けるためにも、準備段階での慎重な判断が何より大切です。