国内の住宅屋根で多く採用されているスレート屋根は、非常に人気の高い屋根材のひとつです。一方で、どれくらいが寿命になるのか気になっているという方も多いのではないでしょうか。

そこで今回の記事では、スレート屋根の寿命に関する基礎知識を徹底解説します。また、劣化した状態を放置し続けた場合のリスクも紹介しますので、ぜひ参考にしてみてください。

スレート屋根材の寿命について

スレート屋根の寿命は、一般的に30年前後とされています。

しかし、屋根の周辺環境や設置状況など、外的な要因によってこれらの寿命は大きく左右するため、30年はひとつの目安として考えましょう。

また、住宅用のスレート屋根は製造された年代によっても耐久性が異なります。

例えば、第一世代として1990年代の後半まで販売されていたタイプはアスベストが含まれているので、比較的耐久性が長く30年から40年ほどの寿命となります。

一方で、第二世代のアスベストが含まれていないタイプのスレート屋根は、非常に問題の多い屋根材だったため、早いと15年程度で寿命を迎えてしまうなど、比較的寿命が短い傾向にあります。

なお、2008年以降に販売された改良版の第三世代については、約30年ほどの寿命があるとされていますが、販売から30年経過していない側面もあります。

このようにスレート屋根は通常30年ほどの寿命とされているものの、製造年代や外的要因によっても左右することは理解しておきましょう。

寿命を迎えたスレート屋根を放置するリスク

スレート屋根の寿命は30年になりますが、この年数はあくまで目安に過ぎません。劣化は日々進んでいくため、寿命を迎えるのが早まってしまうようなこともあるでしょう。

そこでここからは、寿命を迎えたスレート屋根を放置するとどのようなリスクがあるのかを解説します。

ルーフィングの破断で雨漏り

スレート屋根の寿命を大きく左右させるものが、ルーフィングと呼ばれる防水シートになります。これは屋根材の下に施工されており、経年的な劣化と共に破断や亀裂が入ってしまうため、寿命を迎える前に葺き替えなどの工事が必要になります。

なお、ルーフィングには種類があり、多く使用されている安価なタイプだと10年程度で劣化してしまします。一方で、改質アスファルトルーフィングと呼ばれるタイプや高耐久の防水シートであれば30年以上の耐久性が期待できます。

雨漏りで下地が腐食する

一般的な木造住宅の場合、下地に野地板と呼ばれる構造用合板が使用されています。この野地板の上に防水シートが施工されていますが、経年劣化によって防水シートに破断が生じると雨漏りが発生するため、徐々に野地板を腐食させてしまいます。

この状態が長く続いてしまうと腐食箇所は広範囲になり、大掛かりな下地工事を余儀なくされるでしょう。また、湿気も滞留することでカビなどの微生物も繁殖するため、健康上のリスクも生じる可能性があります。

棟板金が飛ばされる

スレート屋根の棟板金というのは、下地に貫板(ぬきいた)と呼ばれる木材を使用して板金を留め付けています。しかし、この貫板は雨や湿気の影響を受けて徐々に腐食するため、留め付けてある釘が抜けてしまう現象が生じます。

このように釘の留め付け強度が低下すると、強風によって飛ばされてしまう場合があるため注意が必要です。飛ばされた板金が近隣の建物を破損させたり、万が一、歩行者に当たってしまうと非常に危険なため、棟板金が飛ばされないようにメンテナンスを実施していく必要があります。

寿命を迎えたスレート屋根のメンテナンス方法

ここからは、寿命を迎えたスレート屋根のメンテナンス方法について解説します。

メンテナンスを放置して不具合を生じさせないためにも、適切な時期で修繕を行いましょう。

カバー工法(重ね葺き工法)

スレート屋根のメンテナンス方法のひとつが、現状の屋根を撤去せずにその上に新しく造り込むカバー工法です。別名、重ね葺き工法とも呼ばれており、下地を活かしてそのまま屋根を造り込んでいく工事の方法になります。

既存屋根を撤去する必要がなくなるので、撤去費用や産業廃棄物処理費用を節約することができます。また、撤去工程がなくなるので、全体の工事期間も短くなるメリットがあります。

一方で、下地の状況に大きく依存する工事方法のため、腐食が進んでいるようなケースでは採用できない可能性があります。

葺き替え工事

カバー工法が採用できないような下地の腐食が進んでいるケースは、基本的に全面的な葺き替え工事が必要です。葺き替え工事であれば現状の屋根を全て撤去するため、下地の腐食が進んでも補修工事を実施することが可能です。

また、カバー工法は屋根が二重になることで総重量が増すため、軽量な金属屋根を利用することが多いです。一方で、葺き替え工事は屋根を撤去することができるので、仕上げの屋根材は自由に選べるメリットもあります。

ただし、撤去費用や産廃費用が多くかかってしまうほか、全体的な工事期間も長くなってしまうデメリットがあります。

寿命を迎えたスレート屋根のメンテナンスで注意すべき点

寿命を迎えたスレート屋根をメンテナンスする際に注意すべき点は、塗装工事(塗り替え)では根本的な解決にはならないという点です。

屋根塗装はあくまで美観上の問題を改善するメンテナンス方法なので、防水シートの破断などを解決することはできません。

要するに、塗装工事を行ったからといって屋根の寿命が伸びるわけではないということです。

あくまで屋根の寿命を伸ばすためには、カバー工法や葺き替え工事が必要になるという点だけは理解しておきましょう。

寿命を迎えたスレート屋根のメンテナンスはヤネットへ!

スレート屋根のメンテナンスを実施するなら、屋根修理の専門店であるヤネットまでご相談ください。

ヤネットでは、部分的な補修はもちろんのこと、葺き替えやカバー工法など、全体的な工事にも対応しています。

無料診断では劣化状況を入念にチェックするため、無駄な工事を避けて最適な修繕方法をご提案することができます。

初心者の方にも分かりやすくご説明しますので、お気軽にヤネットまでご相談ください。

まとめ

今回の記事では、スレート屋根の寿命について詳しく解説しました。

記事の要約は以下のとおりです。

  • スレート屋根の寿命は一般的に30年前後
  • 放置するとルーフィングの破断で雨漏りが発生するリスクがある
  • 雨漏りで下地が腐食するリスクがある
  • 棟板金が飛ばされるリスクもある
  • メンテナンスはカバー工法か葺き替え工事
  • 塗装工事(塗り替え)では根本的な解決にはならない