「うちの屋根に太陽光発電は設置できるの?」「太陽光発電に適した屋根の種類が知りたい……」住宅用太陽光発電の設置を検討している場合、このような疑問をお持ちの方も多いのではないでしょうか。
そこで本記事では、太陽光発電に適した屋根について徹底解説します。設置前に確認しておきたいポイントも紹介しますので、ぜひ参考にしてみてください。
太陽光発電を設置できる屋根の種類を確認しよう!
太陽光発電を設置できる屋根の種類は以下のとおりです。
屋根の種類 | 設置 |
---|---|
瓦 | 〇 |
プレスセメント瓦 | 〇 |
住宅用平形スレート | 〇 |
アスファルトシングル | 〇 |
金属屋根(横葺き・縦葺き) | 〇 |
折板屋根 | 〇 |
住宅用波型スレート | × |
銅板葺き | × |
波板葺き | × |
草木系素材 | × |
重ね葺き(カバー工法) | × |
太陽光発電を設置する際には、モジュールなどを固定するための強度が確保されていなければなりません。
上記に挙げた屋根材の中でも劣化が進み固定が難しい場合、設置前に屋根の補修工事や修繕を行う必要がある点は理解しておきましょう。
太陽光発電に適した屋根の形状について
屋根はさまざまな形状があるため、設置できるパネルの量や発電効率にも差が生じます。
そのため、ここからは代表的な屋根の形状と太陽光発電との相性について解説します。
切妻屋根
切妻屋根(きりづまやね)とは、本を開いたような形状(への字)をしている屋根です。
シンプルな形状をしている一般的な屋根形状のため、雨漏りなどの不具合も生じにくく、メンテナンス性に優れている一面があります。
比較的太陽光パネルも設置しやすいので、南面だけでなく、東西両面にパネルを設置することで発電量を増やせるケースもあります。
片流れ屋根
片流れ屋根(かたながれやね)とは、片方に傾斜している一面だけの形状の屋根です。
切妻屋根と同様に非常にシンプルな屋根形状のため、太陽光パネルも多く設置できるメリットがあります。
一方で、屋根の方角が北側を向いている場合、発電効率が悪くなってしまう傾向にあります。
寄棟屋根
寄棟屋根(よせむねやね)とは、四方に屋根の面が傾斜している形状の屋根です。
最上部に「棟(むね)」と呼ばれる屋根が交差する部分が取り付けられており、昨今の住宅で主流の屋根形状になっています。
切妻屋根や片流れ屋根よりも一面あたりに設置できる太陽光パネルの量が減りますが、東西面と南面の3面に設置する事で発電量を確保することができます。
方形屋根
方形屋根(ほうぎょうやね)とは、屋根の頂上から四方または八方に向かって傾斜している形状の屋根です。
寄棟屋根と同様に設置できる面が多いので、発電効率の高い方角に太陽光パネルを設置することができます。
陸屋根
陸屋根(ろくやね)とは、通常の屋根とは異なり、勾配がほぼない水平状態の屋根になります。
通常、屋上を設ける場合に用いられている構造の屋根で、木造住宅よりも鉄筋コンクリート造の建築物で多く採用されている傾向にあります。
足元が水平なので設置が容易なほか、設置角度なども比較的自由に調整できるメリットがあります。
太陽光発電は屋根の方角や角度で発電効率が変わる!
太陽光発電の発電効率を左右する重要なポイントは、太陽光パネルを屋根に設置する際の方角と角度です。
ここからは、太陽光パネルを屋根に設置する際の方角と角度について解説します。
方角で変わる発電効率の違い
太陽光発電の発電効率は、屋根の方角でも大きく左右します。
例えば、傾斜角度が30度の屋根の場合、方角によって以下のような具合に発電効率の違いが生じます。
- 北:62%
- 西:83%
- 東:83%
- 南西:96%
- 南東:96%
- 南:100%
このように方角は南面が最も発電効率が高く、反対に北側になるほど発電効率が落ちます。
そのため、太陽光パネルを設置する際には、方角も考慮した上で最適な位置に取り付ける必要があるということです。
角度で変わる発電効率の違い
太陽光発電の効率を最も高める傾斜角度は30度といわれています。
この30度が100%の発電効率とした場合、20度や40度のように10度傾斜角度が変化することで、発電効率は2%ほど低下します。
なお、厳密には30どの緯度や経度によって太陽の日が差してくる角度も変わるため、地域によって最適な角度は変化します。
太陽光発電を屋根に設置する際に注意すべき3つのポイント
太陽光発電を屋根に設置する際には、以下に挙げる3つのポイントに注意しましょう。
- 設置面積を確保する
- 屋根の耐荷重を考慮する
- 必要に応じて屋根修理を行う
ここからは、各注意点について詳しく解説します。
①設置面積を確保する
太陽光発電を屋根に設置する際には、相応の設置面積を確保しなければなりません。
例えば、設置するために必要な屋根の面積の例は以下のとおりです。
発電容量 | 面積 |
10kW | 100㎡ |
30kW | 300㎡ |
50kW | 500㎡ |
100kW | 1,000㎡ |
なお、上記は一般的な傾斜のある屋根に設置する際の必要面積です。
陸屋根のような形状をしている屋根に関しては、傾斜のある屋根よりもさらに設置面積を確保する必要があるので注意しましょう。
②屋根の耐荷重を考慮する
太陽光発電を設置する際に注意すべきポイントの二つ目は、屋根の耐荷重を考慮するという点です。
太陽光パネルの一般的な重さというのは、1枚あたりおおよそ15キログラム程度あります。
例えば、4.5KWの太陽光発電を設置する場合、20枚前後の太陽光パネルを取り付けなければなりません。
総重量にして300キログラムほど屋根の負担が増加するので、既存の屋根の耐荷重に問題がないかチェックした上で設置を行いましょう。
③必要に応じて屋根修理を行う
上記でも解説した通り、太陽光発電は設置することで屋根に対する負担も増加します。
取り付けにあたり穴を開けることもあるので、屋根が老朽化していると設置自体が難しいことも少なくありません。
そのため、屋根が現状で老朽化しているのであれば、一度屋根修理を行った後に太陽光発電を設置しましょう。
まとめ
今回の記事では、太陽光発電を屋根に設置する際のポイントについて詳しく解説しました。
記事の要約は以下のとおりです。
- 太陽光発電を設置できる屋根には種類がある
- 太陽光発電に適した屋根の形状を把握する
- 屋根の方角や角度でも発電効率が変わる
- 設置する際には設置面積を確保する
- 屋根の耐荷重を考慮する
- 必要に応じて屋根修理を行う
太陽光発電を屋根に設置する際には、事前に下地に問題がないかチェックした上で施工を行いましょう。