近年、住宅や店舗の屋根材として「ガルバリウム鋼板」が広く採用されています。軽量で耐久性が高く、モダンな外観に仕上がる点から高い人気を集めている一方で、「採用して後悔した」「音が気になる」などの声も少なくありません。
この記事では、ガルバリウム鋼板屋根のデメリットを徹底的に解説し、その対策法や、それでも選ばれ続ける理由まで掘り下げます。後悔しない屋根選びのためにも、ぜひ参考にしてください。
ガルバリウム鋼板屋根の主なデメリットとは?
ガルバリウム鋼板屋根は、耐久性や軽量性に優れた屋根材として人気がありますが、すべての面で万能というわけではありません。採用後に「思っていたより音が響く」「断熱性が不十分だった」と後悔する声も実際にあります。
この章では、導入前に必ず知っておきたいガルバリウム鋼板屋根の代表的なデメリットについて詳しく解説します。
断熱性・遮音性が低い
ガルバリウム鋼板は、金属製のため素材自体に断熱性や遮音性はほとんどありません。特に夏場は直射日光により屋根が高温になり、天井裏や室内が暑くなる傾向があります。また、雨が降った際には、ポツポツという音が響きやすく、寝室や子ども部屋の真上に屋根がある場合、音に敏感な方には大きなストレスとなることも。
こうした点は、スレートや瓦屋根と比較すると明らかな欠点と言えるでしょう。快適な室内環境を保つには、屋根材の下に遮音材や断熱材を追加施工する工夫が必要です。
沿岸部ではサビのリスクが高くなる
ガルバリウム鋼板は、アルミニウム・亜鉛合金めっき鋼板であり、一般的には錆びにくいとされています。しかし、海に近い地域など「塩害地域」では、空気中の塩分濃度が高く、表面が腐食するリスクが上がります。
特に、傷がついた部分や切断面からサビが進行しやすく、塗膜の劣化やメンテナンスを怠ると、短期間で穴が開くことも。沿岸部でガルバリウム鋼板を採用する際は、防錆処理の強化やフッ素塗装品など耐候性の高いタイプを選ぶ必要があります。
傷や凹みに弱い
ガルバリウム鋼板は、軽量である反面、金属としての硬度がそれほど高くなく、物理的な衝撃に対して「凹みやすい」性質があります。台風時の飛来物、屋根に登った際の工具の落下、さらには鳥の糞などによる酸性成分でも表面が傷つくことがあります。
傷がつくとそこから錆が進行する可能性もあり、見た目の美しさだけでなく、耐久性にも影響するため注意が必要です。特にメンテナンスを怠ると、被害が広がってしまう点が盲点になりがちです。
施工技術によって仕上がりが左右されやすい
ガルバリウム鋼板は加工性に優れた素材ですが、その一方で施工精度が仕上がりに直結する屋根材でもあります。下地との相性や、留め具の処理、防水処理など、施工者の技量によって見た目や性能に大きな差が出ます。
例えば、板金の継ぎ目からの雨漏りや、緩やかな傾斜屋根での排水不良など、設計・施工時の知識不足からトラブルが発生するケースも少なくありません。実績の少ない業者に依頼すると、初期費用は抑えられても、後から修理費がかさむ事態に陥る可能性があります。
ガルバリウム鋼板屋根のデメリットをカバーするための対策法
前章で紹介したように、ガルバリウム鋼板屋根にはいくつかの弱点がありますが、それらを把握した上で適切に対処すれば、快適な住まいを実現することは可能です。この章では、断熱・遮音性の向上やサビ対策、施工トラブルを防ぐための具体的な対策方法をご紹介します。導入を検討中の方は、あわせて検討することで後悔を防げるでしょう。
断熱一体型の屋根材を使用する
近年では、断熱材と一体化したガルバリウム鋼板製の屋根材も登場しており、施工時に断熱層を別途施工する手間を省けるうえ、性能も安定します。特に「遮熱塗料」や「断熱裏張り付き製品」などは、夏場の室温上昇を抑える効果が期待でき、屋根裏空間の温度を数度下げるというデータもあります。
また、遮音性についても、天井裏にグラスウールやセルロースファイバーなどを追加することで、ある程度の効果が見込めます。断熱一体型の屋根材を選ぶことで、快適な室内環境と施工の簡略化が同時に実現できます。
定期点検でサビや劣化を早期発見する
金属屋根全般に言えることですが、経年劣化によるサビの発生は完全には防ぎきれません。だからこそ、定期的な点検と早期のメンテナンスが非常に重要です。塗膜の劣化やコーキングの割れなどは、5〜10年の周期で確認し、必要に応じて再塗装や補修を行うことで、トラブルのリスクを大きく低減できます。特に、台風や大雪の後には、目視でも良いので屋根のチェックを行い、傷や凹みがないかを確認しておくと安心です。
施工実績のある専門業者に依頼する
ガルバリウム鋼板屋根の施工には、金属屋根に特化した知識と経験が求められます。地元での施工実績が豊富な業者や、板金専門の工事店に依頼することで、雨仕舞いや納まりのトラブルを回避しやすくなります。
また、アフターフォロー体制が整っている業者であれば、万が一の不具合にも迅速に対応してもらえるため、安心感も高まります。見積もりを取る際は、使用材料・施工方法・保証内容について具体的に説明してもらうようにしましょう。
ガルバリウム鋼板屋根はデメリットがあっても選ばれる理由
ガルバリウム鋼板屋根には確かにいくつかのデメリットがありますが、それでも多くの人に選ばれ続けているのは理由があります。軽量で耐震性に優れ、長持ちする特性は他の屋根材にはない大きな魅力です。
この章では、ガルバリウム鋼板屋根が住宅や建築業界で支持される根拠を、メリットの観点から改めて整理して解説します。
軽量で耐震性に優れている
ガルバリウム鋼板屋根は1㎡あたりの重量が約5kg前後と非常に軽く、瓦屋根(約40kg/㎡)の8分の1程度しかありません。この軽さは、建物への荷重負担を大幅に減らし、地震時の倒壊リスクを軽減する上で大きなメリットとなります。
特に、古い住宅の屋根を葺き替える際には、耐震補強の一環としてガルバリウム鋼板を選ぶケースが増えています。軽量であることは、施工性の高さや工期短縮にもつながり、総合的にコストパフォーマンスの良い屋根材として評価されています。
耐久性・メンテナンス性が高い
通常のスレート屋根が15〜20年程度の耐用年数であるのに対し、ガルバリウム鋼板屋根は塗膜の種類にもよりますが、約25〜30年の耐久性を誇ります。さらに、表面の塗装に遮熱性やフッ素樹脂などを採用すれば、さらにメンテナンス周期を延ばすことも可能です。
こまめな点検と適切な補修を行えば、塗装の再施工を10〜15年おきに行う程度で済み、トータルのメンテナンスコストも抑えられます。長期的な視点で見ると、経済的な屋根材といえるでしょう。
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まとめ
今回の記事では、ガルバリウム鋼板屋根のデメリットについて詳しく解説しました。
記事の要約は以下のとおりです。
- ガルバリウム鋼板屋根は断熱性・遮音性の低さやサビ、傷の弱さといったデメリットがある
- 特に沿岸部では塩害によるサビリスクが高まるため注意が必要
- 対策としては断熱一体型の屋根材の使用や定期点検、専門業者への依頼が有効
- それでも軽量・高耐久・メンテナンス性の高さが評価され、多くの住宅で採用されている
- デメリットを理解し適切に対処すれば、後悔のない屋根選びが可能になる
ガルバリウム鋼板屋根は、軽量で耐久性に優れた魅力的な屋根材ですが、断熱性や遮音性、サビへの対策など注意点も存在します。しかし、適切な施工と定期的なメンテナンスを行えば、これらのデメリットを十分にカバーできます。特性を理解し、環境やライフスタイルに合った選択をすることが大切です。