屋根の修理費用は高額になるケースが多いため、国や各自治体が行っている補助金・助成金を活用するのがおすすめです。ただし、ひとくち補助金といっても種類があるため、どれを活用すれば良いのか悩んでいる方も多いのではないでしょうか。

そこで本記事では、屋根修理で活用できる補助金・助成金について解説します。活用するメリットや補助金・助成金の種類などを網羅的に解説しますので、ぜひ参考にしてみてください。

屋根修理で補助金や助成金を活用するメリット

屋根修理で補助金や助成金を活用するメリット

屋根修理で補助金を活用することで、以下のようなメリットがあります。

  • 屋根修理費用の負担が軽減する
  • 適切な時期で屋根の修理・メンテナンスができる

ここからは、補助金のメリットについて詳しく解説します。

屋根修理費用の負担が軽減する

屋根修理に補助金や助成金を活用する最大のメリットは、屋根の修理にかかる費用の軽減です。本来、高額になる修理費用を大幅に抑えることが可能となるので、建物にかかる長期的なコスト削減が見込めまるでしょう。

補助金や助成金は適切な申請と活用を行うことで、経済的負担を効果的に軽減することができます。

適切な時期で屋根の修理・メンテナンスができる

屋根修理の補助金や助成金の活用は、費用負担の軽減だけでなく、適切なタイミングでの修理・メンテナンスも可能にします。屋根は建物の保護という観点から重要な部位ですが、経年劣化や天候の影響でダメージを受け易いため、定期的なメンテナンスが必要です。

しかし、費用の問題でメンテナンスを遅らせると、小さな損傷が大きな問題に発展し、結果的には更に高額な修理費用を必要とする可能性があります。補助金や助成金の活用は、これらのリスクを回避して適切な時期に必要な修理を行うことを可能するメリットがあります。

屋根修理で使える補助金・助成金は大きく2種類

屋根修理で使える補助金・助成金は大きく2種類

屋根修理で使える補助金・助成金は、大きく以下の2種類になります。

  1. 耐震化
  2. 省エネルギー化

ここからは、補助金・助成金の種類の特徴について詳しく解説します。

①耐震化

耐震化に関する補助金・助成金は、その名の通り建物の耐震化にかかる工事費用を補助する目的で運用されている補助金・助成金です。なかでも、1981年以降の新耐震基準ではなく、旧耐震基準に該当する建物などの改修工事で活用できます。

屋根というのは建物の中でもっとも高い位置にある部材のため、重量が増すにつれて耐震性は下がります。そのため、例えば重い瓦屋根から軽量な屋根材に変更するなど、耐震性の観点から効果的な工事を実施する場合、耐震化に関する補助金・助成金を活用することができます。

②省エネルギー化

省エネルギー化に関する補助金・助成金は、建物の省エネを実現させるために必要な工事を補助する目的で運用されている補助金・助成金です。例えば、断熱材の改修工事によって省エネ化が実現できるようなケースに支給されます。

なお、屋根修理に関しては断熱性の高いインシュレーションボードを下地に使う場合や、遮熱性の高い屋根材を使用することで活用できます。

屋根修理で使える補助金・助成金の自治体別の事例

屋根修理で使える補助金・助成金の自治体別の事例

屋根に利用できる補助金や助成金は、国・自治体によってもさまざまです。そのため、どの種類を活用すれば良いのか分からないという方も少なくありません。

そこでここからは、国や自治体で活用できる補助金・助成金の代表事例を紹介しますので、ぜひ参考にしてみてください。

国(長期優良化リフォーム推進事業制度)の事例

国で行っている補助金の代表事例として、長期優良住宅化リフォーム推進事業があります。本事業は、建物の性能向上や、子育て世帯向けの改修工事に必要な工事費用を補助する目的で運用されている特徴があります。

補助率は対象となる費用の3分の1までとなっているほか、補助限度額は原則1戸あたり100万円まで支給可能です。比較的まとまった費用の補助が受けられるので、屋根修理においても多く活用されている補助金のひとつです。

自治体(東京都八王子市)の事例

ここでは自治体が行っている補助金として、東京都八王子市の事例を紹介します。八王子市で実施している補助金には「八王子市居住環境整備補助金制度」という補助金制度があります。

この事業では市内の住宅所有者を対象に

安心して住み続けられるための居住空間を確保するために必要な住宅改修工事費用の一部を補助する

としています。

補助対象工事はいくつかの種類に区分されており、長寿命化改修工事の一部に屋根の葺き替え工事が盛り込まれています。また、省エネルギー化改修工事についても屋根が含まれているので、いずれかに該当する屋根工事で活用することができます。

補助率はいずれも対象工事の20%以内とされているほか、省エネ改修の上限金額は最大で15万円、長寿命化改修で最大5万円となっています。

屋根修理で使える補助金・助成金の利用手順

屋根修理で使える補助金・助成金の利用手順

屋根修理における補助金や助成金を活用する際には、以下の手順で進めましょう。

  1. 現在利用可能な補助金・助成金を調べる
  2. 申請の手続きを行う
  3. 屋根修理の実施
  4. 工事完了の確認

ここからは、各手順の詳細について解説します。

①現在利用可能な補助金・助成金を調べる

最初のステップとして、現在利用可能な補助金・助成金を調べましょう。

例えば、国で実施している補助制度は、国土交通省のホームページ「住宅リフォームの支援制度」などで公開されています。

また、お住まいの自治体で実施している補助制度を調べる際には、住宅リフォーム推進協議会が運営している「地方公共団体における住宅リフォームに係わる支援制度検索サイト」を活用すると簡単に調べることができます。

②申請の手続きを行う

利用する補助金や助成金の種類が決まったら、利用申請の手続きを行いましょう。

なお、申請の手続きは利用する補助金・助成金の種類によっても、必要書類や手順が異なります。

そのため、詳細は活用する補助金や助成金のページで説明されている手順を参考に進めてください。

③屋根修理の実施

補助金や助成金の書類審査が承認されて交付決定が行われたら、屋根の修理業者と契約を行い工事を実施しましょう。

多くの補助金では完了報告を行う必要があるので、工事前・工事中・工事後が比較できる該当部位の写真を撮るようにしましょう。なお、修理箇所の写真撮影は工事業者に依頼することで対応してくれます。

④工事完了の確認

屋根の修理工事が完了したら、完了報告書の作成・補助金の交付請求書の提出を行いましょう。

なお、改修工事の確認として、必要に応じて調査員が派遣されて修理箇所の確認が行われるケースもあります。これらの完了検査等が終わり、書類審査も通ることで補助金が交付されます。

屋根修理で補助金・助成金を活用する際の注意点

屋根修理で補助金・助成金を活用する際の注意点

屋根修理で補助金や助成金を活用する際には、以下の点に注意しましょう。

  • 予算消化の可能性もある
  • 応募期限に注意する

それでは個別の注意点について解説します。

予算消化の可能性もある

補助金や助成金を屋根修理に活用する際の一つの注意点として、予算消化の可能性が挙げられます。補助金や助成金は予算が決まっているため、一定数の申請に達するとその年度の予算が使い果たされてしまいます。

そのため、補助金を活用する場合は、予算が消化される前に早期の申請を行いましょう。ただし、申請が通るまでには時間がかかることがあるので、修理のスケジューリングにも影響が出ます。そのため、事前に公的機関や市役所のウェブサイト等で詳細な情報を確認した上で、早めの申請を心掛けることが大切です。

応募期限に注意する

補助金や助成金を屋根修理に活用する際、特に注意すべきは応募期限です。多くの補助金・助成金制度は申請の締切日が明確に設けられているため、その日時を過ぎてしまうと申請は受け付けられません。そのため、期限内に必要な書類を揃えて申請を行うことが重要です。

また、申請書類の作成や手続きには時間がかかることもありますので、計画的に申請手続きを進めましょう。これらの点を念頭に置き、必要なメンテナンスや修理を適切なタイミングで行うことが重要です。

まとめ

今回の記事では、屋根修理で活用できる補助金・助成金について詳しく解説しました。

記事の要約は以下のとおりです。

  • 補助金を活用することで費用負担が減り適切なタイミングで工事できる
  • 補助金・助成金には耐震化と省エネルギー化を対象にしたタイプがある
  • 現在利用可能な補助金を調べることが重要
  • 補助金を使う際には予算消化される前に申請すること
  • 応募期限内に申請することも忘れずに

補助金や助成金は各自治体でさまざまな施策として実施されているので、まずはお住まいの地域でどのようなものがあるのか確認してみましょう。