アスファルトシングルはその手軽さやコストパフォーマンスの良さから、住宅の屋根材として広く使用されています。一方で、劣化が進むと見た目の変化だけでなく、雨漏りや住宅の耐久性にも悪影響を及ぼします。

そのため、その劣化の症状や原因を正しく理解し適切な対策を行うことが、住宅の寿命を延ばす上で重要なポイントといえるでしょう。

そこで本記事では、アスファルトシングルが劣化するとどのような症状が出るのか、原因と対策を徹底解説します。これから屋根リフォームを考えている方や、アスファルトシングルの劣化が気になる方は、ぜひ参考にしてください。

アスファルトシングルの劣化について

アスファルトシングルは、ガラス繊維基材にアスファルトを浸透させ、表面に石粒を吹き付けた屋根材です。軽量で施工が容易なため、北米を中心に普及しており日本でも近年人気が高まっています。

しかし、アスファルトシングルの耐用年数は20〜30年程度とされていますが、気候条件や施工の質によっては、さらに早く劣化が進むこともあります。

劣化が進行するとさまざまな症状が発生し、屋根の機能が低下するので注意しましょう。

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アスファルトシングルの劣化症状とは?

アスファルトシングルが劣化すると、まず目に見える変化として現れます。色褪せや苔・カビの発生など、放置すると屋根の防水性や耐久性が大幅に低下する可能性があります。

そこでここでは、具体的なアスファルトシングルの劣化症状とその原因について詳しく解説します。

色褪せ・退色

アスファルトシングルの表面に施された石粒が、紫外線や風雨により少しずつ剥がれたり変色したりすることで、屋根全体の色が褪せていきます。特に日照時間が長く、紫外線の影響を受けやすい南向きの屋根は劣化が進みやすいです。

色褪せは見た目が悪くなるだけでなく、石粒が剥がれることでアスファルト部分が露出し、耐久性が低下するため早めのチェックが重要です。

剥がれや浮き

強風や台風の影響、あるいは施工時の接着不足が原因で、アスファルトシングルが浮いたり剥がれたりすることがあります。また、この剥がれなどの症状は、経年劣化により接着力が弱まることでも発生します。

この状態を放置すると隙間から雨水が入り、雨漏りや屋根下地の腐食を招く可能性が高まります。なお、剥がれが広範囲に及ぶ場合、部分補修では対応できないので早期に専門業者へ相談しましょう。

カビや苔の発生

湿気が溜まりやすい環境や日当たりの悪い屋根面では、カビや苔が発生しやすくなります。特に北側の屋根は湿気もたまりやすく、緑色や黒色の斑点が目立つようになります。カビや苔は見た目が悪くなるだけでなく、屋根材に水分が保持されることで劣化を促進する原因になります。

そのため、これらの症状は放置するのではなく、定期的な清掃メンテナンスなどを施すことで、発生を予防していくことも重要です。

アスファルトシングルが劣化する原因

アスファルトシングルの劣化は、主に自然環境や施工状態、メンテナンス不足によって引き起こされます。ここでは、それぞれの要因について詳しく解説します。

自然環境による影響

自然環境による影響は以下のとおりです。

・紫外線
・雨
・雪
・風、台風
・湿気

強い日差しが長期間当たることで、表面の石粒が剥がれアスファルト部分が硬化して劣化が進行します。

また、雨水が石粒を流し、アスファルト部分が直接雨に晒されることで劣化が加速します。なお、雪が積もる地域では、凍結と融解の繰り返しが屋根材の劣化を促進させます。

その他にも、強風や台風によって屋根材が浮いたり剥がれたりすることがあります。なお、風通しが悪い場所や北側の屋根では湿気が溜まりやすく、カビや苔が発生しやすくなります。

施工不良

施工不良による影響は以下のとおりです。

・接着不良
・施工技術の不足
・通気設計の不備

施工時に接着剤の塗布が不十分だったり取り付けが雑であった場合、屋根材がしっかり固定されず、浮きや剥がれが発生しやすくなります。また、施工技術が低いと屋根の耐久性が十分に確保できず、劣化が早まる原因になります。

さらに、屋根裏の換気が不十分な場合、湿気がこもりやすくなりカビや苔の発生や屋根材の劣化を促進させる原因にもなります。

このように、施工の質が低い場合、屋根の耐久性が著しく低下し劣化を早める原因になるので注意しましょう。

メンテナンス不足

メンテナンス不足による影響は以下のとおりです。

・定期点検の欠如
・清掃不足
・補修の遅れ

定期的に点検を行わないと色褪せや小さなひび割れなどの初期症状を見逃すため、劣化が進行してしまいます。また、カビや苔を放置すると湿気が溜まりやすく屋根材の劣化が加速します。

補修が遅れることで小さな不具合が大きな損傷につながり、部分補修では対応できず、全面張り替えが必要になるケースもあります。

このように、適切なメンテナンスを怠ると劣化が進行しやすくなり、結果的に大きな修繕費用がかかることになります。

アスファルトシングルの劣化を見分けるポイント

アスファルトシングルの劣化は、初期段階で気づくことができれば、修理費用や損傷の拡大を最小限に抑えることができます。屋根の劣化は外観の変化だけでなく、室内にもサインが現れることがあるので早期に見分けることが重要です。

そこでここでは、劣化を見分けるための具体的なチェックポイントについて解説します。日頃から定期的な確認を行い、劣化の早期発見に努めましょう。

見た目の変化

見た目の変化で分かる劣化のサインは以下のとおりです。

・色褪せや退色
・石粒の剥がれ

屋根の表面に色褪せやムラが見える場合、紫外線や雨風による劣化が進行しているサインです。また、石粒が剥がれてアスファルト部分が見え始めると防水性能が低下している可能性があるので、一度専門家に確認してもらいましょう。

室内からの確認

天井や壁に雨染みが見つかった場合、屋根から雨水が浸入している可能性が高いです。雨漏りは屋根材の劣化だけでなく、建物の構造部分を腐食させる原因にもなるため、早めの対処が必要になります。

大きな問題に発展させないためにも、雨漏りを確認したらすぐに専門業者に調査を依頼しましょう。

アスファルトシングルが劣化した場合の対策方法

アスファルトシングルの劣化を放置すると、屋根の防水性能が低下し雨漏りや住宅全体の損傷につながる可能性があります。一方、劣化の状態や範囲に応じて適切な対策を行うことで、屋根の機能を回復し、住宅の寿命を延ばすことができます。

ここでは、部分補修や全面張替えなど、具体的な修理方法や劣化対策について解説します。

劣化の状態に応じた修理方法

劣化の状態に応じた修理の選択肢は以下のとおりです。

・部分補修
・全面張替え

部分補修は、ひび割れや剥がれが局所的に発生している場合に有効な方法です。劣化箇所のみを補修するため、費用を抑えられるメリットがあります。ただし、劣化が広範囲に及んでいる場合には不向きです。

一方、全面張替えは、屋根全体が劣化している場合や耐用年数を超えている場合に適しています。劣化の進行を完全にリセットできるため、屋根の防水性や耐久性を回復させる最も確実な方法です。

修理方法を選ぶ際は、劣化の範囲や状態を確認し、専門業者に相談して最適な対策を検討することが重要です。

使用する材料の選び方

劣化対策や張替え時に適した材料選びのポイントは以下のとおりです。

・耐久性の高い製品を選ぶ
・他の屋根材との比較検討

アスファルトシングルには、グレードや耐久性に違いがあります。劣化しにくい高耐久モデルや、紫外線や雨に強い防水加工・防カビ処理が施された製品を選ぶことが重要です。

また、ガルバリウム鋼板やスレートなど、他の屋根材との性能やコストを比較し、住宅環境や予算に合った材料を選ぶと良いでしょう。

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業者選びのポイント

劣化した屋根を確実に修理するための業者選びのポイントは以下のとおりです。

・実績や評判を確認する
・複数の業者から見積もりを取る
・保証内容やアフターサポートを確認する

信頼できる業者を選ぶためには、施工実績や口コミ評価を事前に確認することが重要です。また、見積もりは複数の業者から取り、工事内容や費用を比較することで適正価格を把握できます。

さらに、施工後の保証内容やアフターサポートが充実しているかも確認しましょう。万が一のトラブルにも対応できる業者を選ぶことで、安心して修理を任せることができます。

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アスファルトシングルの劣化を防ぐための予防策

アスファルトシングルの劣化を抑えるためには、定期的な点検や適切なメンテナンスが欠かせません。劣化の進行を未然に防ぐことで、屋根の寿命を延ばし、大掛かりな修理や張替えのコストを軽減することができます。

ここでは、アスファルトシングルの劣化を防ぐために日頃から取り組むべき予防策について解説します。

定期メンテナンス

劣化を未然に防ぐための定期メンテナンスのポイントは以下のとおりです。

・年1回の点検を行う
・専門業者に依頼する
・劣化の初期症状を早期発見する

定期的に屋根を点検することで、色褪せやひび割れ、剥がれなどの初期症状を早期に発見できます。特にプロの業者による点検は、自分では見逃しやすい劣化箇所を確実に見つけ出し、適切な対策を講じることが可能です。

そのため、上記のように定期点検を習慣化することで、大規模な劣化や修理を防ぐことが重要と言えるでしょう。

劣化したアスファルトシングルの修理をするならヤネット!

劣化したアスファルトシングルの修理をするなら、屋根修理の専門店であるヤネットまでご相談ください。

ヤネットでは、部分的な補修はもちろんのこと、葺き替えなど、全体的な工事にも対応しています。

無料診断では劣化状況を入念にチェックするため、無駄な工事を避けて最適な修繕方法をご提案することができます。

初心者の方にも分かりやすくご説明しますので、お気軽にヤネットまでご相談ください。

まとめ

今回の記事では、アスファルトシングルの劣化について詳しく解説しました。

記事の要約は以下のとおりです。

  • 色褪せ・退色、剥がれや浮き、カビや苔などの劣化症状がある
  • 自然環境や施工不良、メンテナンス不足などが劣化要因となる
  • 見た目の変化や室内から劣化症状を見分けることが重要
  • 劣化の状態に応じた修理方法を選択する
  • 修理する際の材料や業者選びも重要
  • 定期メンテナンスで予防する

早期に劣化を発見し、適切な対策を行うことで、屋根の寿命を延ばし、住宅全体の耐久性を保つことができます。気になる症状があれば、専門業者に相談し、早めの対応を心がけましょう。